2008年05月13日

遺伝子組換え作物〜意見編〜



前々回の「遺伝子組換え作物〜事実編〜」の続編で、今回は僕の意見を述べます。

世の中に出回っている多くの議論は、それぞれのメリットとデメリットを挙げることなく、一方的見方になっていることが多いものです。

批判する場合は悪いところだけを挙げ、推薦する場合は良いところだけを語るので、一見どちらも正しいように思えてしまいます。


前提条件の精査もしないで、その後の議論を始めるのは非常に危険です。
「食品の安全」問題ではそういったことばかりが行われています。

遺伝子組換えのメリットとデメリットを挙げます。

メリット;
1)収穫量が上がる
2)殺虫剤や除草剤などの農薬が少なくて済む
3)栄養価が高いとかアレルギーのない作物、病気に効くなどの有用な作物ができる可能性が高い


デメリット;
1)作物危険である可能性がある
2)環境への悪影響がある可能性がある
3)花粉を通じて周りの畑の作物が遺伝子組換えになる
4)生命の遺伝子を操作するという倫理上の問題点
5)神を冒涜する行為と判断する宗教上の問題点
6)アメリカに作物の覇権を握られる



僕は一言でいうと賛成派です。

上記を見るとメリットが少ないようですが、実際には、
人類を救える可能性があるほど強いメリット
があるといえます。

現在の人類が、いや日本人に置き換えてもいいですが、十分に満ち足りて、将来的にも安泰であるなら、遺伝子組換えは必要ないともいえるでしょう。

しかし、食糧不足が心配される中、自給率39%の日本がこのまま何もしないでいいはずはありません。

遺伝子組換えによって、収穫量が劇的に上がって、しかも農薬や除草剤が少なくて済むのであればこれほどのプラスはありません。

また、技術が進めばアレルギーを起こさない作物や栄養価の高い作物、暑さや干ばつに強いものなど、あらゆる可能性があります。

無農薬栽培は夢の作物とは程遠いですが、遺伝子組換えはその可能性をはらんでいるといえます。
いや事実、すでに世界中で実績を上げ、結果として表れているともいえるでしょう。

考えるべきは、これだけの大きなメリットを上回るだけのデメリットがあるかどうかです。


1)と2)はすでにほとんど問題ないことが確認されています。

仮に、今後何らかの問題が起こるとしても、「怖れ」だけでやめる理由にはならないでしょう。
反対派は100年先はわからないといった「わからない」=「危険」
という考え方を持っています。
では、100年後に、今遺伝子組換えを禁止したことによって人類が飢える可能性と、遺伝子組換えによって不測の事態になる可能性、どちらが高いかといえば、前者なはずです。


3)は、確かに完全におさえることはできないでしょう。
しかし、これを恐れるのは遺伝子組換えを危険と考えるからであり、
安全であるのが科学的常識になった以上、懸念はあるとしても反対する強い理由にはなりません。

4)と5)はそれぞれの考え方なので、他人がどうすることもできません。
ただ、遺伝子組換えというのは、新しい品種を作ってきた今までの作物改良の歴史と大きく変わるものではありません。

現在私たちが食べている食べ物のほとんどすべてが、人間が人間に都合がいいように新たに作った品種(生命)です。

新品種を作ること自体が、生命をいじるものであり、遺伝子を変えるものです。

その方法が交配や細胞融合などによるものか、遺伝子組換えによるものかだけの違いで、人々の反応が大きく違うのは、倫理感というより感情やイメージによるものと思います。
既に遺伝子に紫外線や圧力を与える手法による開発もとっくに行われてもいます。

反対派は遺伝子組換え野菜をフランケン野菜と呼びます。

実際には交配という手段で、どんな突然変異作物ができるかわからないのに比べ、遺伝子組換えのほうがピンポントで制御できるので、安全という見方もあります。

5)もメリットを覆すだけの理由には程遠いと思います。
最初のうちはしょうがないとしても、日本が本格的研究に取り組むことによって、いずれ世界の先頭を走るのを目指すべきです。


遺伝子組換えの普及は最初の情報発信で失敗したと言われています。

最初に農家のメリットだけを謳い、消費者のメリットがわからなかったため、デメリットだけが強調されました。


しかも虫が遺伝子組換え作物を食べて死ぬ映像が世界中に流れ、衝撃映像として、遺伝子組換えが危険な何よりの証拠と捉えられました。

実際には、虫には毒でも人間に無害か低毒なものはいくらでもあり、農薬でも今はそういったものが主流です。
この作物も人間には無害でした。

また、この虫は決してメジャーな虫ではないため、環境への影響もほとんどありませんでした。


日本ではもっと客観的で分かりやすい説明と議論が起こるべきと思います。


「よくわからないけど危険といわれているから反対」
というのが今の日本人の典型的考え方と思います。

報道はデメリットや恐怖を語ったものばかり。
それはいつものこと。

ちょっとでもデメリットが顕在化すると、デメリットばかりが強調され、すべてのメリットが忘れ去られてしまう。

わずかなデメリットを恐れ、技術革新を拒否するのであれば、そこに進歩はないどころか、先には停滞と衰退が待っているだけ。


それが現在の日本ではないでしょうか。

「触らぬ神に祟りなし」とよく言われますが、この場合確かに祟りはないかもしれませんが、生存競争から離脱した者の衰退が待っているように思います。

非遺伝子組換え、国産、無農薬など、値段が高いほうばかりを志向して今後に展望はあるのでしょうか。
別に深い考えがあって判断しているのではなく、感情やムードで判断しているとしか思えません。

経営コンサルタントの大前研一氏は日本人のことを「内向き、下向き、後ろ向き」と表現していますが、まさに言いえて妙です。

どちらを選ぶかはもちろん個人の自由です。
ただ遺伝子組換えを利用する自由を奪うべきではないし、それ以上に国家戦略として考えていく必要があると思います。

もし遺伝子組み換えに反対するのであれば、食糧危機や値段の高騰を抑える代替案を出すべきと思います。
ついでに大豆や小麦アレルギーの人に対してアレルギー反応の起こらない大豆や小麦の開発をあきらめなくてはならない理由も提示してほしいものです。
posted by うな太郎 at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年05月07日

先日の「カンブリア宮殿」



今回は予定を変更して、先日放映された「カンブリア宮殿」の番組内容についてお話します。

村上龍と小池栄子が司会を務めている人気番組なので、知っている方も多いと思います。

ゲストは「宅配大地」という、無農薬や有機野菜を中心とした食品の宅配を行っている会社の社長。

この社長の語り口は誠実そうなのですが、言っている内容は、論理の飛躍と詭弁に満ちたもので驚きました!


まず、前提が
「農薬使用野菜は危険で、無農薬野菜が安全」としています。
このことは多くの人がそう信じており、その前提から始まるパターンは珍しいものではないので、とやかく言うつもりはありません。

ただし、無農薬であることによってリスクが高まる要素があるため、このことは科学的に全く証明されていないことであることだけは、はっきり断言しております。

しかし、その次には「おいしい」が来ていました。。

無農薬でおいしいというのは、つながりません。

例えば、特別おいしい品種だとか、獲れたてを宅配しているとか、
そういう理由ならわかります。

これもほとんど詳しい説明もなく、「おいしい」と語り、
「うちのを食べたらスーパーの野菜は食べれないと言われます」といっていました。

いつのまにか、無農薬で品質管理をしっかりしているから「おいしい」ことになっています。

それも司会者に生野菜を食べさせる念の入れよう。

このような状況で司会者は「おいしい」というに決まっているし、何より実際に宅配に使用されている平均的なものなのか、一番おいしいものなのかもわかりません。

この会社は基本的に週に1回の宅配を行っているので、到着してすぐ食べるか、1週間して食べるかによっても味が違うはずです。


そして、
司会者の
「こういうものはお金持ちしか食べられないということになりませんか。」
の問いに対して、
社長は、
「安い食品を買うことによって、健康が害される、医療費がかかるなどを考えると、トータルではうちの食材が有利」


う〜〜ん、これは「恐怖商法」(恐怖を煽ることによるお金儲け)
従事者によくある論法ですが、よくテレビではっきり言ってくれました。

僕はずっと通常栽培の野菜しか食べてませんし、中国産も抵抗なく食べてきましたが、45歳で健康そのものです。
日本人のほとんどが僕とあまり変わらない食生活を送ってきたはずですが、日本人は世界的長寿で健康な老人が多いですよね。
通常作物を食べたことによって、身近な人が具合悪くなったとか、病院に運ばれたケースもないはずです。
あれば大きなニュースになりますが全くありません。


さらに極めつけ。
「会員の方からは、利用してから食費が1〜2割程度しか上がっていない、という声をいただきます。」
「理由はうちの野菜がおいしいので、スーパーや外食で食べるものがまずく感じられ、そういうところに行かなくなるから。」


これが本当なら魔法の食べ物ですね。

我田引水とはこのことではないでしょうか。

従来の2〜3倍(中国産との比較では3倍以上と思われます)するものを買っていながら、食費があまり変わらないようにするためには、外食の頻度にもよりますが、基本的に量を減らすしかありません。
ほとんど外食をしない(又はごく安いところでしかしない)家庭であれば、量を2分の1から3分の1に減らさなくてはなりません。

もしかして、おいしいから満足度が高くて、少なくても済むのでしょうか(笑)

つまり話の筋道はこうです。


1)無農薬野菜は安全
2)無農薬野菜はおいしい
3)これを食べると健康になり医療費も少なく済む
4)これを食べるとスーパーや外食に行かなくなり、食費はあまり変わらない



厚生労働省は、そのガイドラインで「無農薬野菜」という表示を禁じています。理由は、
「そうでないものより優位性があると誤認される恐れがあるから」です。
つまり厚生労働省は農薬を使用しない作物に何らかの優位性があることを認めていないということです。
だから、減農薬、無農薬とも「特別栽培」と表記しなくてはなりません。

有機栽培の先進国イギリスでは政府機関が
「有機栽培作物が、人体に安全であるとか、栄養的にすぐれているといった科学的証拠はない」と語り、
そうでない作物より優位性があるとの広告を禁じています。


特別栽培(無農薬栽培)といっても使用して良い農薬もあれば、農薬指定を受けていない薬を使ってもよいわけで、その中には安全性の確かめれれていないものもあります。
木酢液はその例です。


つまり、無農薬栽培作物が体に良いというのは単なる思い込みにすぎない可能性が高いわけです。



現在、流通している最も安いもので、十分安全なのに、
人々の思い込みに乗じて「病気になる」かのような恐怖心を煽って
商売につなげていくことが、許されてよいのでしょうか。


今回の場合、前提自体に問題がありますが、さらに一つ一つの結論に無理、矛盾がありました。

特に最後には笑ってしまいました。。


しかし、一般の人はそのことに気づかないどころか、感動すらして納得している人が多いのではないかと思うと、僕がもっと正しい情報を発信していかなくてはならないという責任を感じてきます。
posted by うな太郎 at 22:12| Comment(8) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年05月04日

遺伝子組換え作物〜事実編〜



僕も食品の安全を語っている以上、遺伝子組換えについて触れないわけにいきません。
今まで取り上げなかったのは、問題が複雑なので、ブログの1回や2回で語りつくせるものではないからです。

この問題は
既に世界中で、様々な立場の人たちによって大激論が交わされ、語りつくされた感
もあります。

ただ、取り上げる必要性があるのは確かなので、説明不足を恐れず、
今回を〜事実編〜そして次回を〜意見編〜ということで、述べさせていただきます。


遺伝子組換え作物は
アメリカで1996年から商業栽培が開始されました。

遺伝子組換え作物は、特殊な遺伝子を組み込むことによって、

「収量が増える」「除草の手間が省ける」「農薬が少なく済む」

というメリットが謳われました。

しかし、この作物に関して世界中から大きな反対が巻き起こりました。
反対の主な原因は

●作物の安全性が確認されていない
●環境への影響がわからない
●花粉を通じて周りの畑が汚染される影響
●生命の遺伝子を操作するというのは倫理に反する
●神を冒涜する行為
●アメリカによる、作物の世界支配


アメリカでは、国内的な反対意見は根強いものの、1996年以降栽培面積を急激に増やしました。
2005年には
アメリカの農場面積の約55%(5千万ヘクタール)が遺伝子組換えになり、現在ではさらに増えていると思われます。

5千万ヘクタールというのは、
日本の全農地面積の約13倍です。

また、このとき既にアメリカでの大豆の87%、トウモロコシの52%が遺伝子組換え品種に替わっています。


アメリカ以外で遺伝子組換え作物を当初から積極的に取り入れた(栽培する)国は少なく、
アルゼンチン、カナダ、中国
程度でした。

EUでの拒否反応、反対運動は特に激しく、1999年から2000年にかけてEU内の実験農場の破壊・妨害活動が頻繁に起こるなどしたため、取り組んでいたアメリカの会社はEUから撤退することとなりました。
EUの反対が激しかった背景には、以下のことが挙げられます。

●イギリスでBSE(狂牛病)により多くの死者を出した教訓から食の安全に敏感であった
●反対する環境保護団体、宗教団体の活動が活発
●アメリカの穀物支配を恐れる
(遺伝子組換え種子の特許はアメリカの会社が持っている)

2000年以降は、栽培する国が増え、
ブラジル、インド、南アフリカ、オーストラリア。
そして2004年ごろからは
ドイツ、フランス、スペインなどEU内の国々でも栽培が始まり、急激にその面積を増やしています。

ただし、一方では世界中の自治体や生産者レベルで、GMOフリーゾーン(遺伝子組換え作物禁止)を新たに決めるところも出てきています。


日本では現在でも反対世論が強く、事実上、実験農場すら認められていません。



現在、世界中で栽培されている遺伝子組換え作物の90%が
「除草剤耐性」と「殺虫性」。

各国(主な国)の栽培作物は以下
アメリカ・・・大豆、トウモロコシ、綿、ナタネ、カボチャ、パパイヤ、
アルゼンチン・・・大豆、トウモロコシ、綿、
ブラジル・・・大豆
中国・・・綿

遺伝子組換え作物の実際のメリットとして、
大豆の収量が6倍に上がったとか、綿の殺虫剤散布が5分の1に減ったなど様々な成果が報告されています。
ただし、干ばつのときはむしろ通常作物より被害が大きいとの報告もあります。

遺伝子組換え作物先進国アメリカでは既に10年以上の栽培経験を経ていますが、今のところ、組み換え作物による食品被害や、環境への悪影響として明確な物は確認されていません。


日本ではあまり議論すら十分に行われていませんが、栽培が許されないだけではなく、遺伝子組換え作物を口にすることへの拒否反応が強いといえます。


遺伝子組換え問題は、拙著『食品の迷信』には書ききれなかった項目です。
次回は、〜意見編〜ということで、僕の個人的な意見を表明します。
posted by うな太郎 at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年05月01日

ご迷惑をおかけしています。



拙著『食品の迷信』は4月26日発売以来、アマゾンで売り切れ状態が続き、ご迷惑をおかけしています。

配送上のトラブルがあった模様です。
爆発的に売れたからではありません。(笑)

ただし現在(5月1日午前)楽天書店又はポプラ社ホームページからは購入できますので、よければこちらで購入して下さい。


【楽天】販売ページへ

【ポプラ社】販売ページへ
←編集者の解説入り



posted by うな太郎 at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年04月25日

いよいよ発売開始です!



拙著「食品の迷信」(ポプラ社)が26日より発売開始

となりました!(地域によっては27〜28日)

アマゾンでは既に先行予約販売を開始しています。
価格も税込で1260円と良心的。


「食品の迷信」アマゾンからの購入はココから


現在、一般消費者は食品に対して多くの誤解、いわば迷信を持っています。
その誤解は、年々強くなり、取扱業者の常識とのギャップは広がるばかりといった状況です。
現在、叫ばれる「食への不安」もそういった背景の中で増幅され、結果として「偽装」を多く生む温床になっており、それがまた強い不信感を生む悪循環になっています。

食は毎日口にする生活の根幹をなすものであるにも関わらず、食の真実を知らないというのは、不幸なことですし、結果として悪徳業者に騙され損をしています。

本書では、まず食の真実を知っていただくことを大前提とし、そのうえで損をせずに豊かな食生活を送るためのノウハウを伝授しています。



僕がこの企画を応募したときに、出版社6社から手を挙げていただきました。
比較的旬な話題だったことが幸いしたと思います。

もし自費出版だったら、あまり誰からも期待されていないのが明らかで、かつほとんど売れない=ほとんど読まれないとの結果が想定できて、気持ちもこもらなかったことでしょう。

世に出す価値があると認められ、販売を期待されているからこそ、
一層今までにない質の高いものにしたいとの強い思いを持って執筆
することができました。

いわば、・・・魂の書です!


「食」に対して不安を持っている人はもちろん、そうでない人も、
今後生きていく上で長きにわたり役に立つ本
と思います。


では、目次をご紹介します。

序章・・・・・食品の常識には迷信がいっぱい
第1章・・・・誰も言わない中国食品の真実
第2章・・・・産地偽装、あの手この手
第3章・・・・賞味期限の「期限」は適切か
第4章・・・・「国産」「天然」志向の罠
第5章・・・・「自然がいちばん」の落とし穴
第6章・・・・メディアのウソを見破れ!
第7章・・・・食卓から見えてくる行政の怠慢
第8章・・・・見直すべき「食」との向き合い方
第9章・・・・「食の真実」を知る心得




「食品の迷信」表紙
posted by うな太郎 at 20:56| Comment(1) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年04月23日

東京新聞に掲載されました




本日の東京新聞朝刊に僕への取材内容が掲載されました。


東京新聞記事2.png

東京新聞記事.jpg




先週、東京新聞(中日新聞系列)の記者の方が来られ、取材していきました。
僕の主張と取り入れてもらえるとのことだったので、快くOKしました。
内容を簡単に説明すると、
「中国の検査結果はどの角度から見ても優等生」
「行き過ぎた国産信仰が新たな偽装を産み、結局は消費者の損になる」

というもの。

記事の中では、僕が語った内容や数字をそのまま載せるのではなく、
独自に調べて、しっかりと裏付けをとって記者本人の解釈をうまくからめていました。

世のメディアに関わる人たちもこのように情報を真正面から受け止め公正に扱う姿勢を持って欲しいものです。

またインタビューをしながらも、写真をバシバシ撮るという器用なことをやっていましたね。

ちなみに僕の写真も出ています。
左上ではないですよ。(*_*;
右下です。。
あぁ〜、ついに顔まで表ザタにぃ〜〜〜!
posted by うな太郎 at 08:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年04月21日

ウナギは天然に限るか?



今週末(4月26日)発売予定の僕の拙著
『食品の迷信』の内容を一つご紹介します。

当ブログでも一度書いたことがありますが、それから半年以上経っているので、新たな話を交えてお話します。

『食品の迷信』の一つ、

”魚は天然に限る”
”養殖なんてまずい”


今回はウナギにしぼります。

10年ほど前にダウンタウンの浜田雅功他の芸能人5人が、
いかに舌が肥えているか、の目隠し検査を行う番組がありました。
例えば高級ワインと安物ワインを飲み比べて、どちらが高級ワインかを当てるゲームです。

その中で、うな重がでて、片方が天然ウナギ、片方が養殖ウナギによるものでした。

結果から言えば、
5人全員が養殖を天然、天然を養殖と間違えました。
理由はおいしいほうが、天然だと思ったからです。


浜田雅功などは、食べた瞬間に
「わかった!こりゃ自信あるぞ!」と叫んだものです。

結果として番組では、全員舌が貧しいとされ、うな重を提供した店の
料理人がいかに天然ウナギはおいしいかを語って笑いの中、終わりました。

しかし5人全員が、脂がのっていておいしい方を天然と答えたのは、
舌が貧しいからではなく、「迷信」を持っていたからです。
天然のほうがおいしいという迷信です。


いくら料理屋の人が天然がおいしいといっても、一般に認められないのであれば意味がありませんよね。

実は、これはたまたまではなく、当然のことなのです。

うなぎの養殖は栄養価の高いエサを十分に与え、1年程度で出荷されます。当然脂がのっているうえ、成長が早いので、身も皮も柔らかです。

それに対して、天然のウナギは厳しい生存競争の中、常にエサを探しまわり、長い年月(通常5〜6年)をかけて大きくなります。
もちろん生育環境によって千差万別ですが、通常は脂はうすく、身や皮も固めです。
また長年泥の中に住んでいることによって泥臭がすることも多いといいます。

僕の経験では、店がしっかり選別して出していたせいか、粗悪な天然ものを出されたことはありませんが、一番良かったものでも養殖物と同程度だったといっていいでしょう。

天然ウナギのうな重が養殖物の2倍以上することを考えると、一般的には割に合わないと思います。

ただ、天然ウナギは貴重であるのも事実だし、厳しい自然界で生き抜いた物語があります。
風味が本当に良くて、価値のあるものもあるかもしれませんので、一応その点は少し弁護しておきます。(笑)


僕が食べてきた中では、養殖のブランド品が確かに最もおいしかったです。

なんといっても風味は花のようで、それが口の中に広がり、深い味わいがありました。

エサや水、土にこだわり、「自然環境に近い」のだそうです。
後段は単なる宣伝文句と思いますが(笑)


ブランド名は「坂東太郎」
(宣伝費は誰からももらってませんよ(*^^)v)
食いしんぼうは要チェック!⇒「坂東太郎」取扱店

僕が3回ほど舌鼓を打ったのは有楽町の「炙り一徹」です。♪
posted by うな太郎 at 18:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年04月19日

忘れちゃいけないBSE



韓国でアメリカ産牛肉の輸入制限が解除される見通しになりました。
まず、
生後30か月以下
について骨付き肉の輸入を受け入れ、その後は段階を踏んで
年齢制限も撤廃
することとなりました。

日本では現在、生後20か月以下の牛肉に限って輸入を認めています。


そもそも、このBSE問題(BSEは狂牛病、ヤコブ病ともいう)はどんな問題だったのでしょう。

2003年にアメリカで狂牛病の牛が見つかったことが原因で、アメリカからの牛肉の輸入が禁止となりました。
意外と知られていませんが、その時点で日本では既に5例以上の狂牛病が確認されていました。

さらに2007年末まででいうと、日本で33例確認されているのに対して、アメリカで3例しか確認されていません。

輸入禁止は約3年間続き、多くの焼き肉店の倒産、吉野家での牛丼の中止、和牛の史上最高値更新などが起こりました。

日本では狂牛病検査のために全頭検査を行っています。
これは世界でも日本だけです。

なぜなら、全頭検査することに科学的意味がないからです。
生後20か月以下の牛を検査しても、例え狂牛病に感染していたとしても、検査ではわかりません。
さらに、仮に狂牛病に感染した牛の肉を食べても感染することもありません。危険なのは特定危険部位と呼ばれる、脳や目玉、脊髄など限られた部分です。

私たちが猛毒を持つフグを食べるのは、危険な部位を取り除いて、適切に処理すれば安全であるとわかっているからです。

同じように、牛も危険な部位を取り除けば、安全であることがわかっているのです。

ようやく、厚生労働省は生後20か月以下の狂牛病検査を廃止する方向で動いています。
この検査に年間8億円かかっているといいます。
(全頭検査では40億円)
しかし、地方行政や消費者団体は反対しているそうです。

地方行政は予算や仕事が減ることを恐れているのでしょう。
消費者団体は安全のためには費用をおしまない、科学的意味がなくても念には念を入れようという極端な考えが支配しているようです。

不必要に経費をかけると、そこに待っているのはいうまでもなく、価格への転化、高騰です。

アメリカ産牛肉の輸入が禁止されたことによって牛肉全体の価格が上がり、国民の負担は莫大なものでした。

それによって、日本人が狂牛病から守られたのであれば意義があります。
しかし、科学的常識から言えば、健康には何もメリットはなく、負担だけが増えたといえるでしょう。

そもそも牛の飼育頭数が日本の100倍あるのに、狂牛病の発生事例がはるかに少ないアメリカの牛のほうが怖いということ自体、根拠の怪しいものでした。

こういうと必ず来る反論が、
「アメリカは全部は検査していないから・・・」

現実は、数字(33例と3例)で表れ優劣明らかです。
それに対して、数字に表れない部分や将来はどうなるかわからない、
といったことは、あくまで憶測です。
ただの憶測なのに、科学的見解とは逆の不安を煽る報道のほうを信じることに、意味があるとは思えません。


いつまでも無意味に輸入規制を行っていると、食品の値段の高騰だけではなく、国への信頼が失われそれが様々な分野に波及していきます。
食品に関する過度な我がままは国際的な孤立を深めます。

そして国民の無関心や無知は、国民自身の理不尽な負担という不利益を生むことになるのです。
posted by うな太郎 at 08:56| Comment(1) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年04月09日

当ブログが本になります。



いよいよ4月26日予定!

こんな感じです。


食品の迷信・表紙










posted by うな太郎 at 20:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品の安全

2008年04月08日

トレーサビリティはすぐにやめよう



今回は、やや挑発的な題名で迫ってみました。(笑)

今、このようなことを言う人間は変人扱いされるのではないでしょうか。。。

でも僕は大真面目です。

現在、日本で行われているトレーサビリティは、
単にイメージを良くして高く売るための理由づけをしているようなものです。

メーカーはこう言います。
「消費者の知りたい情報を開示するため」

しかし、どれだけの消費者が本当にトレーサビリティを確認してから物を買うでしょうか。
おそらく10人に1人もいないでしょう。

アンケートで「知りたい」と答えても、確認せずに買うものではないでしょうか。
なぜなら、そのトレーサビリティを見たところで、それが良いものなのかダメなものなのか判断がつくはずがないからです。

確認するのはトレーサビリティをやっているかやっていないかだけです。


それに、現在のように偽装表示が蔓延している中で、トレーサビリティ自体が偽装である可能性も十分あるわけです。
トレーサビリティに間違いや偽装があっても、見つかりにくいし、見つかっても単なる間違いとしてほとんど違法にならないことから考えるとなおさらです。

メーカーはこうもいうでしょう。
「事故が起こった時に、原因を特定するため」

事故がどれだけの確率で起こるのでしょうか。
昔のように頻繁に起こっていた時代ならともかく、現在のようにめったに起こらない中で、一つ一つのトレーサビリティをきちんとやるコストはだれが負担するのでしょうか。

結局、消費者が負担することになるのです。


また、仮に事故が起こった場合、普段トレーサビリティを行わなくても、対象製品をトレースすることによって原因などわかります。


トレーサビリティには、ムダもたくさん出るし、コストも多くかかります。


消費者はトレーサビリティがしっかりしているから
「品質がいいんだ」とか
「安心なんだ」などと過度の期待をいだくのは要注意です。


現在行われている高く売るためのトレーサビリティならすぐにやめるべきというのが僕の考えです。


ただし、良いトレーサビリティもあります。

西ヨーロッパ(EU)の水産業界で行われているサステナビリティ(sustainability)とは、資源の持続可能性を意味しています。

過剰に獲ることのない、資源の適切な管理を行って販売するものは、
MSC認証マークという一種のエコラベルをつけることができます。

漁獲から消費者への販売まで一貫したトレーサビリティが行われています。

管理や輸送のコストで1〜4割高くなるのですが、それでも売れ行きが大変伸びているそうです。

消費者は、高いお金を払う代わりに、資源の維持に貢献しているという満足を得ることができます。
いわば地球環境のために行う負担です。


そのためには、制度の管理が適切に行われているといった信頼性が高いことが必要不可欠なのはいうまでもありません。

EUでは日本が手本にしなくてはならないほど、資源管理が厳格に行われているので、取締や制度の信頼性が高いといえます。


このように、目的が資源を守るという明確なものがあり、表示の信頼性があるトレーサビリティならば、価値があります。


この点、どこかの国のトレーサビリティとは意味が違います。
posted by うな太郎 at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全