2008年03月29日

食品偽装の罪と罰



先日、ミートホープ元社長に判決がおりました。

札幌地裁は、
不正競争防止法と詐欺罪により、懲役4年の実刑判決を言い渡しました。

判決の中で、裁判長は
「食の安全への信頼を根幹から揺るがしたことは明らかで、表示を信頼した一般消費者らを裏切る著しく背信的な犯罪」と断罪した。

さらに、判決理由の一つとして、
「他の産地偽装と比較しても極めて悪質」というのもありました。

確かに、通常の産地偽装は、表示を偽ったり、貼り替えたりするだけなのに対して、ミートホープは自ら積極的に手を下していたという悪質性がありました。

僕は、ここまで重い判決になるとは思っていませんでした。
ちょっと驚きですね。
今までの同種の事件と比べても最も重いのではないでしょうか。。

世論の流れや、同種の事件が後を絶たない状況を鑑みて、このような判決になったのだと思います。

元社長は、控訴しない意向とされており、
今回の判決は、業界への一定の抑止力になるのではないかと期待しています。

ただし、この事件の顛末は極めて例外的なものということもできます。

なぜなら、ほとんどの偽装表示は、発覚しても「指導」のみで終わり、業者間取引ではそもそも違法にならないからです。
JAS法改正により、遅ればせながら、この4月1日から業者間取引でも適用されることになりました。

しかしJAS法の罰則自体がユルユルなため、抑止力になるどころか、
「やらなきゃソン」と思われる恐れさえあるヒドイものです。


ところで先日、香川県の業者がオーストラリア産牛肉を国産と偽り販売したとして、詐欺と不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、店主が逮捕されました。

実は、昨年にも牛肉の産地偽装では複数の逮捕者が出ました。

水産物の産地偽装では、逮捕されるということはないのに、牛肉ではなぜこうも違うのでしょうか???


気になって、担当の農政局に電話で聞いてみました!

その説明によると、「契約と違うものを納入したから」ということでした。

なるほど。
しかし、農水産物の偽装において契約書が存在していたことがないとはとても思えません。

また契約書がないとしても、判例によると電話での会話でも契約は成立するとみなされているし、何より表示を信頼して買っている人に対する契約違反と見なしてもよいのではないでしょうか。


まして今回の牛肉産地偽装はだまし取った金額が67万円
他のJAS法違反だけで終わる偽装事件と比べても軽微です。

JAS法違反止まりと詐欺や不正競争防止法違反までいくのとでは罰に雲泥の差が出ます。


何せ後者は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金で、容疑は今回のミートホープ元社長と同じです。

僕には、詐欺や不正競争防止法違反までいくかどうかに対して別な意図を感じざるを得ません。

つまり、牛肉の偽装は政治力のある牛肉国産業者を守るため、農水産物と比べて、徹底して厳しくしているということです。

僕の仮説が正しいかそうでないかは別にして、
食品偽装では、罪と罰の整合性が全くはかられていないといっていいでしょう。


P.S.
前回、クエの偽装を取り上げましたが、僕の知人で被害を受けたと思われる人がいました。
大阪でクエ鍋が1人前2千円。
しかも食べきれないほど出てきていたとのこと。
彼は年に2〜3回食べていたというのですから、大変ショックだったようです。
「アブラボウズをクエと思いこんで食べていた・・・」(泣)

もう2度と魚を食べないのではないでしょうか(笑)
イヤ笑ごとではないですね。
もちろん不正業者はJAS法違反のみの「指導」だけです・・・・




posted by うな太郎 at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月20日

クエの偽装



相変わらず、次々と偽装表示問題が取りざたされています。

先日は大阪の大手市場「うおいち」が、2007年8月から12月にかけ、中国産のシロサバフグを「国産」「山口県産」と表示。
計約10トンを販売。

さらに同会社は、2005年4月から今年2月まで、養殖ブリの国内産地を事実と異なる「熊本県産」などと偽り販売。
数量は12万本(660トン)

そして今度は、大阪の水産会社「矢崎」が
「アブラボウズ」を「クエ」として販売していたことが発覚。
大阪府はJAS法違反に基づいて、お決まりの「指導」をしたと。
また、福岡市の料亭「てら岡」もクエ鍋セットとしてアブラボウズを販売していたことがわかりました。


僕が特に興味を持ったのが、クエの偽装。
なぜなら、このような偽装を僕は知らなかったからです。(笑)
大抵の偽装は知っていますが。

アブラボウズとは、ハタ科のギンダラ科の魚。
なんかいかにもおいしそうな種属ではあります。

しかし、僕も食べたことはありますが、刺身で食べると、脂はのってはいるものの、水っぽくてどっちかというと「マズイ」です。
この魚の別名「オシツケ」ともいわれていることから、「他人にオシツケたくなるような魚だから、そう呼ばれるんだな!」と勝手に思っていました。(真偽はわかりません)

そんな魚が、あの高級魚、クエとして売られていたのというのは仮にまれなこととしても意外でした。
クエは、脂がしっかりのっているにもかかわらず、決してクドくない上品な味で、かつ身が引き締まっている本当に美味な魚です。
関西以西ではよく知られ、特に和歌山のクエ鍋は名物になっています。

ただし、僕とてクエとして出されたものが、もしアブラボウズだったとして、見破れるかどうかは決して定かではありません。
多分激安店だったら、すぐに疑うけれども、高い店だったら、なかなかわからないかもしれません。
油断禁物!気をつけなくては!!!

また、たま〜に事件になるアブラソコムツは別種の魚で、この魚を食べると下痢をする危険性が高いため、販売を禁止されてます。
アブラボウズは大丈夫ですが、それでも食べ過ぎると、下痢の危険性があると言われています。

ちなみに、今回のクエ偽装。
農林水産省が気の利いたプレスリリースを出しています。
それをご紹介します。

アブラボウズ
;深海魚で、主な産地は相模湾、三陸沖およびミッドウェー海域(ハワイ沖)
市場関係者聞き取り価格・・・700ー1,500円/KG

クエ
;スズキ目ハタ科の魚で、主に和歌山、九州地方沿岸で漁獲される。
関東では「モロコ」九州では「アラ」と呼ばれています。
市場関係者聞き取り価格・・・3,000ー10,000円/KG

さらに、ここでは間違えないよう、騙されないよう、写真まで載せてくれています。
ぜひ確認しておきましょう。↓↓↓

アブラボウズとクエの違い


posted by うな太郎 at 21:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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