2008年11月30日

食品の無駄



僕は、「食品の無駄」は食品の安全と偽装などと同じぐらい重要な問題だと思う。

「フードバンク」では、余剰食品を食べ物として有効に活用し、生活弱者を支援するボランティアを行っている。
ホームページ⇒フードバンク関西

コンビニなどで大量に捨てられるお弁当や総菜類。
そのほとんどは、賞味、消費期限切れ。

「消費期限」切れは衛生上の問題があるので、やむを得ないにしても、
「賞味期限」切れは本来の味や食感が落ちる程度の期限なので、有効活用するべきもの

しかも、メーカーは絶対に品質問題を起こさないために、例えば90日日持ちすると判断しても、実際には60日ぐらいに設定するように大幅に余裕を持っているのが通例。

しかしそれでもコンビニ、スーパーは「フードバンク」に対して余剰食品を渡さず、廃棄するほうを選ぶ

なぜなら、万が一でも食中毒を起こすことを恐れているためだ。


横浜の「さなぎの食堂」では、コンビニから賞味期限3時間前(コンビでは安全面を考慮し、3時間前に店頭からはずす)に弁当などの食材を毎日もらってきている。
そしてそれを改めて調理してボリューム満点の300円の定食を出している。

「フードバンク」と「さなぎの食堂」の違いは、前者はいつ食べられるのかわからないのに対して、後者は、食される場所と時間がわかっていることと、万一食中毒が起こったときの責任の所在の部分。

しかし僕は「フードバンク」の場合でも有効活用するべきと考える。

もちろん問題が起こったときは食べた本人の責任だ。
その食品を提供する側は、賞味期限などの履歴は正確に伝える必要はあるだろう。

本来人間には食中毒の起こるものを食べない防御本能が働くもの。
臭いや味で判断できるものだ。

獲れた魚や野菜・果物に賞味期限があるかといったらない。

もともと企業が調理加工しないものには賞味期限などなく食べている。
それで何も問題はないのだ。

世界的に見れば豊かな日本でも明日の食べ物にも困っている人は大勢いる。
年収200万円以下の人は1000万人以上いるがこの人たちは、できうる限り食費を切りつめたいはずだ。

お金持ちと供給者の論理だけで、厳しい規格と賞味期限をクリアーした食品だけが並ぶのはおかしい。

規格外でいいから安いものが欲しい人にも選択の自由を与えるべきだ。

規格外品の多くは廃棄されるものなので、ただ同然のものも多い。

廃棄されれば、燃やすことにより大気がよごれるし、灰もどこかに捨てられる。
廃棄費用を惜しんだための違法投棄も後を絶たない。


現在は、
「安全のためにはコストをおしまない」
「安全が保障されたものじゃなきゃ食べられない」
といった意見が主流だが、
この考え方は、非常に無責任で不勉強な考え方だ。
なぜなら、とてつもない無駄とコスト高を生み、ひいては精神的荒廃を生む。

「もったいない精神」は、経済的に助かるだけでなく、心の問題にも良い影響を与える。さらに所得の再分配機能を持つことにつながる。



世界に広がっているという日本語「mottainai」
世界一もったいないことをしている我々としては恥ずかしい限りだ。

posted by うな太郎 at 15:21| Comment(3) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月26日

「キミハ・ブレイク」TV出演



「よろしくお願いしま〜〜す!」

僕がスタジオに入ったとたん、中居君が歩み寄ってきて、ニコッ!と挨拶してくれました。

中居君は、目力が強いのに愛嬌があって、思っていた以上にかっこよかったし、全体の司会を通じて人間的な魅力も感じました!

そういうわけで、
昨日TBS「キミハ・ブレイク」の「中居正弘の家族会議を開こう9」
〜告発!食品偽装〜
に出演いたしました。

収録は2週間前に、2時間半ぶっ通しにて行われました。
放送は正味40分程度でしたが・・・


食品偽装に関して、建前や押し付けではない、ありのままの真実が語られる良い番組だったと思います。

ミートホープを内部告発した赤羽さんが、元同僚からだけでなく親戚からも嫌われ、村八分状態になってしまっていることに、僕もある種の衝撃を受けました。

確かに、ミートホープがつぶれたことによって、職を失った人たちからすれば、
内心「余計なことをしてくれた。自分たちだけヒーローかよ」
といった感情があるのは理解できなくはありません。

しかし、それをあからさまに表に出して、「いじめ」を行うというのは、まさしく日本社会の閉鎖性が垣間見えます。

放送でカットされましたが、僕が採用して欲しかった発言は、
「村八分にしている人たちも普段は偽装は許せない、という人たちなはず。それが自分が関わっている場合は、許せという話になるのは完全にエゴ。」


また、消費者の被害だけに目が向きがちですが、同業他社の被害はそれ以上といってもいい。

ミートホープのがシェアを伸ばしていく中で、売上が減り、職を失った人たちがいることは容易に想像がつきます。
そして、ミートホープがつぶれた今、その分の需要は他の会社に向けられ、雇用を創出しているはず。

偽装している会社が生き残るべきか、まじめな会社が生き残るべきか、改めて語るべきもないことでしょう。

また、赤羽さんがしみじみ語っていたのは、
「”公益通報者保護法”は経済的には守られても、社会的には守られない」

赤羽さんは、社会的に正しいことをやったものの、今でも「告発してよかったのか」悩む日々

偽装を暴くために最も有効な「内部告発」の実態がこのような状況では、偽装がなくならないわけです。









posted by うな太郎 at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月22日

中居正弘の家族会議を開こう



TBSテレビ、毎週火曜日の19:56から「キミハ・ブレイク」という番組があります。

来週25日には、その番組企画で「中居正弘の家族会議を開こう」をやります。

ご存じスマップの中居正弘がMCを勤め、
「社会で起きる様々な問題、そして、家族ひとりひとりがどう生きるべきかを真剣に考える」
といった至極まじめなものになっています。

今回のテーマは「告発!食品偽装」

タイムリーですね〜!


ゲストは、ミートホープの元常務で、内部告発をした赤羽さん。

彼の内部告発が発端となって、ミートホープのあらゆる偽装が明らかになり、会社は倒産、社長は実刑判決となりました。

この方の証言や、再現VTRを元に、パネラー陣(大竹まこと、浅草キッド、カンニング竹山、高田万由子、マツコ・デラックス、川原ひろし)が議論します。

驚いたことに、赤羽さんは、社会的には大変有意義なことをしたにもかかわらず、親戚、知人から嫌がらせにあうなどして村八分状態になり、現在は長野で一人暮らしをしているとのこと。

奥さんとの間にも亀裂が生じ、家族とも別居状態なのです。

結局、地元では会社がつぶれたことによって、社員100名以上が職を失い、そのことによる赤羽さんに対する反発、反感が強かったということです。

食品偽装とは?
内部告発とは?
家族とは?


を真剣に考えさせてくれる、大変良い番組になると思います。

パネラーはお笑い系の人が多いのですが、めちゃめちゃ真剣に考え、語っています。

中居君のMCぶりも見事!
3連休の後の25日(火)19:56TBS、おすすめします。


posted by うな太郎 at 10:37| Comment(5) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月20日

うなぎの肝串とは



若者を中心に、うなぎの肝串を知らない人が増えてきているようなのでここで説明します。

うなぎの肝串は文字通り、うなぎの内臓を串に刺したもに蒲焼のタレをつけながら焼いたものです。

ここでいう肝は
肝臓だけではなく、腸なども含みます。

焼き鳥に使用するような串に、焼いた後や食べる前にバラバラにならないように、何度も何度も串に刺しながら形を一定に保ちながらぐるぐる巻きにします。

使用するうなぎの大きさによりますが、だいたい
一串に2〜3匹分のうなぎの内臓
が使用され、焼いた後の重量は1本当たり30gぐらいが目安です。

いくら世界で水産物の需要が高まっているといっても、うなぎの内臓を食べるというのは外国で聞いたことがありません。

これは
日本の伝統的食文化
の良さではないでしょうか。

クジラでもそうですが、自然の恵みを余すことなくできる限り利用するものです。
おまけにうなぎの肝は
栄養価が豊富
で、身の栄養価を凝縮しています。

何より、お酒にあいます!(*^^)v

濃厚な味わいと、腸のチャキチャキした弾力が絶妙!


だから僕は当ページ右上バナーにあるように、

「うなぎの肝を見直そう!」
とのスローガンの元に、「日本相談党」から立候補しています。^^
清き一票を!?(-_-)/~~~

そんなうなぎの肝串が多くの日本人から忘れ去られようとしています。

なぜなら、その主な供給先である中国産が風評被害から売れなくなり、国産は供給が足りなく非常に高いからです。

過去10年来、中国産の値段は輸入業者の販売価格はだいたい
1本20〜25円
でした。
5年程前に供給が激減したときは、
55円
までいきました。

しかし、今では需要の激減とともに価格は暴落して、1本
2円


20円ではありません2円です。
「タダでもいらない」という声さえ聞こえます。

コストが15円ぐらいだから、もちろん再生産のきかない値段。
2円では資材費も出ません。

中には売れないまま賞味期限が過ぎたため、10トン単位で廃棄した、という話まで聞きます。

輸入冷凍品の賞味期限というのは、通常製造日から2年間あり、それを少々過ぎたからと言って、衛生的に問題がでないのはもちろん、品質の劣化すらほとんどないものです。

なんともったいない!(*_*;


1本の肝串を作るのに非常に手間がかかるし、うなぎが2〜3匹いないと作れないものです。

国産に関していうと、活鰻として町のうなぎ蒲焼屋に行く分の肝はそこでお吸い物にされるだけで終わり。
国内の蒲焼工場で生産されるうなぎから細々と生産されていますが、値段は1本
90〜100円


中国産ならスーパーで3本240円でも儲かりすぎるぐらい儲かりますが、国産なら3本480円以上でなくては合いません。

そういうわけで、今年は、真夏であってもほとんどのスーパーにうなぎの肝串が置かれなくなってしまいました。

日本人が食べないと、家畜のエサか廃棄処分です。


日本の伝統食である、うなぎの肝を栄養バランスの強化、資源の有効利用という観点からも見直しませんかぁーー?(-_-)/~~~


posted by うな太郎 at 14:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月15日

ウナギ偽装容疑で逮捕状



本日、中国産ウナギ蒲焼を国産の「一色産」と偽装した事件で、関係者数名が逮捕されました。

逮捕状がとられたのは、以下の8名。

「魚秀」・・・社長、福岡営業所長
「神港魚類」・・・元担当課長
「土佐海商」・・・元専務ら2人
「大洋水産」・・・元専務とその弟
 東京都の商社社長

報道されている事件の概要は、

今年1月に「魚秀」福岡営業所所長と「神港魚類」元担当課長が偽装を発案。
「魚秀」社長が「土佐海商」元専務に話を持ちかけ、具体的方法を計画。

中国産のウナギ蒲焼256トンを「大洋水産」関連倉庫内で「一色産」の箱に詰め替え偽装。
発覚しにくくするために、伝票の経路を「魚秀」から東京の商社2社を通し、「神港魚類」に販売した。

「魚秀」の利ざやは3億3千万円。この中から「土佐海商」に1億円、「神港魚類」元担当課長に1000万円、東京の商社2社に計4000万円が支払われた。


首謀者とされる3,4名は僕も以前からよく知っているので、本当に残念で複雑な気分です。

許されないことを悪質な手口でやったのだからこうなるのも当然ではあります。
しかし、そう思う反面、他の同様の犯罪との比較でいえば、非常に重い刑、重い社会的制裁を受けることになるような気がします。

逮捕者がいままでになく広範囲であることも特徴です。

これは一つの時代の大きな変化だと思います。

昨年まではほとんど「ヤリドク」だったのは事実ですが、今はもうそれでは済まないことを、業者もしっかり認識する必要があるでしょう。

こういったことは、当然のことながら、偽装に対する抑止力として働くと思うので良いことと思います。

ただし、捜査方法も刑罰も、世間をどれだけ騒がせたかによって大きく変わってしまうのはよくありません。
それは報道の仕方によることだからです。
行った事実、意図、計画性、規模、常習性、地位などで公平な判断をして欲しいと思います。


罪は今回の不正競争防止法違反ですと、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
上限の量刑が不正競争防止法の2倍の詐欺容疑でも捜査するようですが、単なる偽装表示の場合はその立件は難しいようです。

その後の態度が悪質でない限り、実刑にはならないと思うのですが、どうでしょう。

いずれにしても、早く罪を償ってほしいものです。









posted by うな太郎 at 16:23| Comment(3) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月12日

田母神氏について

今回は田母神前航空幕僚長の辞任問題について。

日本ガラパゴス化現象と関連するので、当ブログでは初めて食品以外を取り上げる。

僕はこの問題は田母神氏の問題というより、日本のマスコミと社会の問題と捉えている。

そもそもなぜ田母神氏が事実上クビを切られたか。
それは「政府見解と異なる発言をした」からという。

これ自体がおかしい。

政府見解と異なる発言をすれば、どんな内容であってもクビを切られるわけではないはずだ。

例えば、「アフガニスタンの平和維持活動のための給油」や「イラク派兵」に反対の論文を出したらクビになるか。

処分があるとしてもせいぜい訓告、戒告だろう。

政府の見解といっても、挙げればきりがないほどたくさんあり、それのどれか一つでも反対なら処分を受けるなどあってはならないし、そうであるはずもない。

もし彼が政府の政策を批判したらどうなるのか。

これも当然政府の見解と異なるわけだ。

このときマスコミは政府を批判した者を批判しないだろう。
我さきに批判された政府を批判するだろう。


結局、辞めさせられた理由は
「中国や韓国を怒らせる内容だったから」ということに他ならない。

問題は内容そのものということ。

しかし、社会に言論の自由が根付いているのであれば、内容はどうであれ、批判はされることはあってもクビになるような問題ではない。

マスコミは、自分たちの言論の自由を過剰なまでに主張していながら、政府の地位ある人間の言論の自由は認めない。


それが一番の問題だ。

思考停止・批判ロボットのようなマスコミが、横並び一斉に批判したことを契機として、問題を大きくしたくない政府が辞めさせただけということ。


今回は「組織のトップが行った」ことも責任が重いとされる要因になっているが、ではナンバー2なら大丈夫なのか。
それ以下ならどうなのか。明確なものが何もない。

公務員をクビにするというのは、違法行為を行ったか、著しい非行でもない限り、認められるものではないはずだ。

だから懲戒(クビ)にする法的根拠などない。

世間に騒がれたかどうかで人生決められるのでは、本人としてはたまったものではない。


今回の問題に限らず、最近は「問題発言」によって責任を取って辞任するケースが非常に多い。

しかし本来組織のトップは組織の考えに100%従属している者や聖人君子がなるものではない。

組織のトップは仕事ができる者がなるべきものだ。


それが単に「不適切な発言」という理由だけでクビになるのでは、まさに「北朝鮮と一緒」で法治国家とは言えない。

特別悪いことをしているわけでもないのに、世間から一斉に避難を浴びるファッショ国家といってもいい。

そんなことでは能力あるものがいなくなる。
そして「和」のあるものだけが生き残る。

しかし「和」があると評価される人間は、能力に乏しく「事なかれ主義」「自分の考えを持たない」場合が非常に多い。

マスコミは常に地位あるものに対して、批判そして責任追及の矢を向けることを旨としている。
まさに「感情的、短絡的」だ。
消費者は「騙されやすい」ので、そんな理不尽なマスコミ体質に疑問を持つことなく、同調するだけ。


日本は、自分の権利だけは過剰に主張するが、人の権利は認めないモンスター市民の島になってきたようだ。



















posted by うな太郎 at 08:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品関連以外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月05日

ガラパゴスニッポン島の固有種2

前回は、日本人の特性として近年顕著に表れている特徴の一つ目として、情緒的短絡的悲観的という点を挙げた。

二つ目は、「従順で騙されやすい+新形質」ということ。

「新形質」は後で説明するとして、「従順で騙されやすい」ということはどういうことか。

その根本にあるのは、封建的全体主義

政府機関のトップも政府の見解と違う発言をすると責任を問われ、辞任に追いやられる。
事実上「クビ」の理由が、内容の是非ではなく、「政府と異なる見解だから」といったことは全体主義の表れ。

とても民主主義とは思えない。

また、一人の責任も所属先全員と責任とされるとも特殊だ。
高校野球が典型例だと思うが、一人の犯罪も連帯責任となる。

日本代表のスポーツチームには必ずと言っていいほど○○ジャパンと○○に監督の名前を配する。

組織を軍隊のように縦型構造と捉え、“隊長”が全権を掌握し、”部下“は隊長の指示に従う駒のような存在であることが良いとされる。

だから部下に必要なのは能力よりも、和

和を大切にするということは言いかえると従順であること。
だから、権威に弱く流されやすい
そして騙されやすい

マスコミ情報を鵜呑みにすることはその一例だ。
「テレビでやっていた」「新聞に出ていた」という枕詞をつければ、「本当なはずだ」ということを言っているようなもの。

食品の安全報道では、間違い、偏向・偏狭だらけ。例えば「中国食品は危険で国産食品は安全」といった前提の報道はすべて間違いといっていいが、ほとんど疑問に思われることはない。

国の流す情報や施策に従って、住宅を買ったり、国債を買ったりする。
国連至上主義も日本が顕著だ。

騙されやすいという最近の例では、「振り込めサギ」
もうここ数年問題化し、多くのメディアで注意を呼び掛けているにも関わらず、騙される人が減るどころか増えている。

今年の被害額は過去最高ペースだ。
先日は、警察の全国規模の警戒が行われ、ATMに警察官が配置され、一人一人の客に「大丈夫ですか」「騙されてませんか」と声をかけていた。

お年寄りだけではなく、かくいう僕も声をかけられてしまった。

しかし、警戒期間に被害にあった人のなんと1/3は、声をかけられていたにも関わらず、その注意を振り切って振り込んだ人ということ。
これではもはや救いようがない。

国の取り締まりは、大人に対するものとは思えない異常なものだが、実際に大人に必要な「自己責任」を求めることができないほどの異常な防衛意識の低さがある。

さて、全体主義的でお人好しで騙されやすいということは、ある意味昔からの日本人の性質であると思う。
しかし、近年「新形質」といえる顕著な新しい特徴を備えるようになった。

それは「消費者」としての新たな特権意識が強くなったことによって、サービス提供者に対して、極めて我がままになったこと。
モンスター化したといっても良い。

この強い傾向は、ケンカを知らない者のケンカの方が怖いのと同じで、元来自己主張していなかった者が自己主張し始めたため、その程度や限度がわからないのだろう。

食品でいえば
「安全を100%保証しろ」
「賞味期限が過ぎたものやちょっとでも怪しいものは捨てる」
「色や形がきれいで揃っていなくては買わない」
「でも無添加、無農薬であるべき、ただし価格は通常品並み」

日本の消費者がこのようになったそもそもの原因は、マスコミとサービス提供者にあると思う。
マスコミは常に“ウケ”のいい、「消費者の味方」「弱者の味方」を標ぼうし、事態を冷静に判断することなく、「疑わしきは消費者の利益に」とする。
結果として何でもかんでも「消費者が正しい」としてきた。

サービス提供者も「お金のためならなんでもする」といった卑屈なサービス合戦となり、消費者のどんな我がままも通すようになった。

世界でもまれなサービスの良さがアダとなってきた。

いまや、日本では「消費者」は強者であり、弱者ではないことが多い。

むしろサービス提供者が弱者で苦しめられるケースが後を絶たない。

この行き過ぎた我がままが、最終的にはコストに跳ね返ったり、サービスの低下につながることが既に現実化してきた。

企業は、我がままな客からも決して苦情が来ることがないよう、最新の注意を払い、厳しい基準を設けることになる。

それが、通常に利用する人の利便性を下げ、コスト高を生むことになる。


前回分と話をまとめると、次に挙げる特徴を持った人は、ガラパゴスニッポン島の固有種だ。
本ブログの趣旨から批判的側面だけを表現した。

情緒的短絡的悲観的。そして全体主義的で騙されやすい。
さらに立場が「消費者」になると、自分の責任を省みず急に我がままになる。


一度、自分を客観的に省みてはどうだろう。

posted by うな太郎 at 11:40| Comment(4) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月01日

ガラパゴスニッポン島の固有種

日本人はその地理的要因と元来持っている閉鎖性、保守性のために、
世界でもまれな特有の性質を持つ。

特に近年顕著に表れていることは、2つ挙げられると思う。
一つは非常に情緒的短絡的悲観的ということ。
二つ目は次回取り上げる。

目の前に起こったことが全体の中でどういう位置づけにあるかを考慮することなく、過度に恐れる。

「木を見て森を見ない」
の例えにならって説明する。

「この木は花粉をまき散らすとんでもない木だ」という話になると、
「すぐにその木を切ってしまえ」となる。
しかし、まわりの木はすべて花粉をまき散らす。もっとたくさんまき散らす木もある。
もっと手間がかからずに切れる木もある。
そもそも、木があることによる様々な効用を考えなくてはならないし、切ったことによる
デメリットも考えなくてはならない。
それでも「まずはできることから」と主張する。


原油は過去3か月あまりで暴落し、
円ベースでいえばピーク時の1/3
になった。
高騰しているときは、「生活が大変になる」とおびえ、一気につつましい生活になる。

しかし今は暴落して安くなったのだから、本来多いに喜ぶべきことではないか。
原油の高騰が「悪いことずくめ」なら下落は「良いことずくめ」なはずだ。
ところが、その事実を無視し、
株の下落や円高などの負の側面ばかりを追う。


最近の急激な円高では企業業績の悪化ばかりが伝えられるが、日本が外国より相対的に認められている、輸入品が安くなる、円資産の価値が上がるなどのメリットを考えない。


こんにゃくゼリーはのどに詰まらせて死亡するケースが多いということで、製造中止に追い込まれた。
しかし、のどに詰まらせて死亡事故が起こった原因は、他の食べ物によるものが圧倒的に多い。

東京都の調査では
「ご飯・すし」「パン」「もち」の順で死亡事故が多く、これらはこんにゃくゼリーよりはるかに事故が多い。


のどに詰まらせる事故が起こる食品が禁止なら、食べるものは流動食しかなくなる。



最近、多くの中国産食品から検出されているメラミン。
サイゼリアはメラミンが混入していたとされるピザを食べた人への返金を実施した。
混入していた量は体重50kgの人が1日70枚のピザを毎日食べても害がない値だ。
メラミンだけではなく、あらゆる農薬や抗生物質などの異物が検出されると、恐怖を感じ、廃棄処分にする。

しかし、分析精度の飛躍的向上によって、
有害物質を一切含まない食品など存在しない
ほどになっている。自然の植物でも同様だ。

有害物質が含まれるかどうかの基準で食べようとすると、食べるものがなくなる。


悲観的な話が好きで世の中の様々な危険といわれる情報を集め信用する。
危険情報マニアも多い。


未来の恐怖を語る人に「警告してくれてありがたい」という感謝の気持ちを持つ。
食品添加物、農薬、遺伝子組換え作物、水道水、ダイオキシン、環境ホルモン、電磁波、BSE、地球寒冷化、鳥インフルエンザ、などなど結局何も起こっていないか、起こっても予想よりはるかに小さな被害のものばかり。

しかし「何も起こらなかったではないか」と文句を言うひとはほとんどいない。

唯一大きな批判を浴びたのは、ノストラダムスの大予言の五島氏。
五島氏は著作物で巨万の富を得る一方で、人々は「予言」に怯え、自分だけ生き延びようと数百万円もする核シェルターを買ったり、オウム真理教のような怪しい宗教にのめり込む者が急増した。

日本ほど恐怖に踊った国は珍しい。

このときは、1999年7月と特定したため、はずれたことが明白になったことから批判が巻き起こった。
しかし、これは特殊ケース。

ほとんど批判がない理由は次々と未来の恐怖を語る
「狼少年」が大好きということ。
予言がはずれたことがわかっても
「20〜30年後に起こるかもしれない」と信じ続ける。

事実「科学的に安全性が証明されていないから危険!」
といった論法で煽る本はよく売れる。
ベストセラーになると30〜50万部にもなる。

科学的にリスクを分析している良本も実は数多く出版されているが、
そのほとんどが初版だけで終わっている。

僕の「食品の迷信」は初版の6千部すら売れていない・・・・・。


販売数は100倍の差

言わば、100人いるとして99人が恐怖を煽る本を手に取り、たった1人だけが客観的な事実に基づいた本を取るということ。

情緒的短絡的悲観論が好きで、客観論、楽観論に興味はないのだ。
僕のような”変異種”の情報を受け入れられないのだろう。

同質の周りの人たちと不安を共有する話題が欲しいのだ。
科学的知見や当該機関の正式見解より、科学のシロウトの情報を信用する。

食品は過去50年間で飛躍的に安全になった。
にもかかわらず、
「食品の安全がおびやかされ」
「何を食べていいのかわからない」状態でいる。
中国産がいくら安全でもたまたままれに起こる事件だけを見て、「危険」と思いこみ、
「いくら安くても買わない」と決意する。

際限のない安心ゲームの中で、過大な廃棄リスク、風評被害リスクばかりの食品産業は産業として成り立ちにくくなった。



医療事故も以前より大幅に少なくなり、出産時などでも死亡するケースは少なくなった。
そのためいつのまにか100%安全なものと思いこみ、失敗すると医者の責任にする。

挙句の果ては、医者は告訴され、逮捕、医師免許はく奪。
命を預かる医者のなり手がなくなり減っていくのは自然の流れだ。



日本人は先進国では突出して自殺率の高い国だ。
自殺の原因は「病気」「経済苦」の順だが、根本的にあるのは考え方が悲観的ということがあるだろう。

現在の食品を「安全なものがない」と思うということは、生きることすべてが危険なことだらけで、心配で夜も眠れないのではないだろうか。


情緒的短絡的に相手を非難し、責任をとらせることがどういう結果を生むのか、
悲観的な心の営みが幸福に通じるのか、考えてみるべきではないだろうか。



posted by うな太郎 at 16:26| Comment(5) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。