日本の農業の実態を数字で示します。
なるべく新しいデータを採用する観点から、
統計年度の違いを一緒に計算するなどしているところもあるが、
あくまで全体像をつかむものとして考えてほしい。
1)関税
●単純平均関税率
日本・・・・・・12%
アメリカ・・・・・6%
EU・・・・・・・20%
●農業関税率
日本・・・・・・50%
アメリカ・・・・12%
EU・・・・・・・30%
*日本は、米や落花生、こんにゃくなど関税500%以上、バター、砂糖、大麦、小麦など200%以上の品目がある。
これら、禁止的に高い税率であれば、輸入されないので輸入額で計算した平均関税率は低くなる。
だから、実態は上記の「農業関税率」に近いと思われる。
特に米の800%近い関税が「農業関税率」を押し上げている。
OECDの推計では日本の国境保護は国際価格の1.592倍。
つまり関税が0になれば、輸入品の価格は現在の約60%になる計算。
2)農業補助金総額
(農業生産額に対する割合)
日本・・・・・・59%
アメリカ・・・・17.6%
EU・・・・・・・36.5%
3)1ヘクタールあたりの補助金
日本・・・・・・9709ドル
アメリカ・・・・・117ドル
EU・・・・・・・・676ドル
4)農業補助金
補助金予算5.5兆円
(補助金;2.7兆円、価格維持;2.8兆円)
5)日本の農業総生産・・・・・・4.9兆円(ピーク時は7.9兆円)
6)「農業を守る」ための負担
5.5兆円(補助金)+2兆円(輸入関税による輸入品価格への転嫁)=7.5兆円
この額は国民一人当たり平均6万円。
1世帯当たり16万円。
これにより全人口の4%(世帯数比率)の農家を支えている。
その他)
国内総生産額512兆円に対して農業総生産は4.9兆円と1%に満たない。
一方、労働人口からみると、総就業人口6151万人に対して312万人と約5%。
耕地面積465万haなので、農業労働者一人当たり、1.5haの耕地を利用して、年間157万円の農業生産を行っている。
農業補助金を除くと、実質生産額は50-100万。
価格維持費などを除くと、マイナス。
日本は世界的に見て、コスト的にいえば農業に不向きなのは明らか。
*平地が少なく、大規模農法に向かない
*機械、ガソリン、農薬・肥料、物流コストなどの値段が高い
*高温多湿で、病虫害がつきやすい
*収穫期に台風や大水などが起こりやすい
*従事者の高齢化
農業に向いている点として下記があげられるが、デメリットと比べると非常に小さい
*種苗技術が発達している
*雨が多い
*勤勉
だから、「ヨーロッパ各国が30年前から自給率向上に取り組み、成功させたから日本も見習え」などと言われるが、その事例と日本を同様に考えることはできない。
日本の農業は
莫大な補助金を出しながらも、いや出したからともいえるが、衰退してしまった。
補助金予算ばかりが増え、生産額が減っている実態もある。
経済合理性だけで判断できないのは当然だが、
かといって今までのやり方で、農業を守り、伸ばしていく施策が良いはずはない。
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エントリ内にもありますが価格維持に2.8兆円、補助金が2.7兆円ありますね。
この2.7兆円がミソです。
例えば用水路を整備するとします。この場合は5割ほどが国からの補助金、3割ほどが都道府県などからの補助金、残りが農家負担で農家は補助金を受け取るどころか賦課金という形で支出します。
農業補助金というのは農家の為ではなく土建屋さんの為にあるんです。
今の国の農家に対する支援は、農家に対する補助金といいながら実は、還流し関連企業や農業関係団体に落ちている。ここには多くの天下りがいて高額の報酬をもらっていたりする。この仕組みが変わらなければ日本の農業は、衰退する一方だと思う。
農業従事者は、たぶん3百万人ぐらいだと思うが、今の各種補助制度などを完全に廃止し、農業従事者一人に100万円を交付した方がよっぽど良いのかもしれない。予算3兆円ならこちの方が経費節減だし。