2008年10月10日

食糧危機情報の現実2



世界的な食糧危機に警鐘を鳴らし、日本は食料安全保障のために自給率を上げるべき、というのが知識人と呼ばれる人たちの、一般的主張だ。

世論もその通りに動いている。

最近出版されている書籍の中で目立っているのが、丸紅経済研究所所長・柴田明夫氏が書いた
「飢餓国家ニッポン」〜食料自給率40%で生き残れるのか〜

この方は、過去に「食糧争奪」「資源インフレ」など類似の本を出版している。

僕は「食糧争奪」と「飢餓国家ニッポン」を拝読させていただいたが、内容的には非常に似通っており、まさに題名そのものの内容になっている。

結論からいうと、呆れた内容と言わざるを得ません。

「飢餓国家ニッポン」で、何度も繰り返している言葉が、
”転ばぬ先の杖を100mも200mを先につくべき”

この比喩は非常に的確ですが、僕には矛盾としか思えません。

なぜなら、転びそうになるときに、100mも200mも先に杖があっても意味がない。 肝心の時に役に立たない杖にコストをかけるほどムダなことはない。

もしこんなことが許されるなら、では1キロも2キロも先に杖をつくのも許されるのか?

コスト意識が全く感じられない発想
のように思う。

また、食料危機に関して、
「おにぎり1個が300円になる日が来るかもしれない。そうなれば日本にも餓死者が急増する。」

僕の意見は、
「あり得ないことに怯えて、おにぎり1個100円で食べれるものを150円にするべきではない。」

また、同氏は
「今起きているのはパラダイムシフトであり、穀物だけでなくて他の食糧、原油、鉄鉱石、非鉄金属などあらゆるコモディティが上がっていくと予想している」

全く驚きの予想である。

見識を疑わざるを得ない。

前回も書いたが、あらゆる商品にはマーケットメカニズムが働くわけで、それが働かない理由など現在のこれらの商品にはない!

147ドルまで上がった原油相場がここ3か月で88ドルまで下がったが、それがまた元の高値に戻すという理由があるのなら、ぜひ聞きたいものだ。

本の表紙帯に大きく書かれているのが
「食糧輸入が途絶えれば7000万人の食べ物がなくなる!?」

一介のジャーナリストならいざ知らず、地位のある方がこのような「売らんかな」発想としか思えない本を出すことに驚きを感じる。


食糧不足になる恐怖は全く感じないが、誤った情報ばかりが氾濫することに恐怖を覚える。
















posted by うな太郎 at 10:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>食糧不足になる恐怖は全く感じないが、誤った情報ばかりが氾濫することに恐怖を覚える。

自分の意見、考え方を持たない主体は、その時の強者に使われてしまうケースが多いですよね。
Posted by 同感 at 2008年10月10日 13:52

マーケットメカニズムというものがよく理解できていないのですが、マーケットメカニズムというのは、複数の代用商品マーケットの選択肢があることが前提ではないでしょうか?

つまり、人口に対して食料という代用品のないものの絶対量が不足することが起きた場合は、やはり食料マーケット全体が高止まりするのでは?

今年の原油高騰の例は、実需用がともなわない部分の影響が大きかったがため一過的なピークで終わることができた、むしろ例外的な事例では?
(88ドルは5、6年前50ドルを切っていたころから比べればやはり高騰だと思います)

素人なのでやっぱり食料危機が怖いと思ってしまいます。
Posted by sいちろう at 2008年10月11日 01:01
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