2008年10月13日

「自給率を上げよ」はまやかし



僕は、消費者が自主的に、日本の農業を守るため或いは日本の経済のために、日本の自給率を向上させようとすることは良いことと思っている。

ご飯をたくさん食べるようになれば自給率向上につながるが、
そうなれば日本の固有の文化が継承されるし、健康にも良いことになる。

しかし、現在行われている自給率向上の運動は、明らかに
「食糧安全保障のため」といった錯覚の上に成り立っており、それが国家的な危急な目的であるかのように扱われているのが大きな問題だ。

最近なって、このような主張をしているのが僕だけではないのがわかった。

今回のブログの題名は、明治学院大学の神門善久教授の「週刊新潮」(10月9日号)での題名
”「食糧危機」はウソ〜「自給率を上げよ」はまやかし〜

から拝借させてもらった。

神門教授は、他にも日本経済新聞の「経済教室」にも寄稿され、
「食糧自給率向上は的外れ」といった論文を出されている。

僕が今まで目にしてきた学者を含めた専門家と称する人たちが、
こぞって稚拙な論理を展開して危機を煽っている中にあって、神門氏の存在は一筋の光ともいえる。

「少数意見ほど正しい」
「反発の多い意見ほど価値がある」
といったことが多いので、僕一人だけの意見でもそれはそれでいいのだが、やはりこういう人の存在は心強い。

神門氏の記事内容は僕が今まで主張してきたことと非常によく符合するので、詳細はここでは省略する。

象徴的な一文だけをご紹介すると、

『(仮に食糧自給率100%にしても安心できないのは)1993年に日本で体験した大冷害の経験からあきらかである。コメの輸入を原則として禁止していた当時の日本は、この大冷害がもたらしたコメ不足に対して慌ててコメの緊急輸入を発動した。ところが、普段の取引がないためにコメ輸入のノウハウや設備に事欠き、見当違いの品質のコメを海外で買いつけてしまい大量に売れ残ったり、(中略)混乱をきわめた。さらに「苦しいときだけなりふり構わず輸入する日本」として、国際的にも失笑をかってしまった。』

そして日本がめざすべきは、食料自給率の向上ではなく、
『食料の安全確保に向けて、相互に輸入・輸出しあう構造を構築し、農産物貿易の厚みを増すことだ』



何事も「危険でない」と主張するためには、あらゆるすべてのリスクを考え解説しなくてはならないので大変な作業になる。

「危険である」はたった一つの事象を、将来の可能性として解説するだけでいいので簡単だ。


今後は神門氏のように、その大変な作業をやる人が増えてきてほしいものだ。


posted by うな太郎 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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