2008年05月04日

遺伝子組換え作物〜事実編〜



僕も食品の安全を語っている以上、遺伝子組換えについて触れないわけにいきません。
今まで取り上げなかったのは、問題が複雑なので、ブログの1回や2回で語りつくせるものではないからです。

この問題は
既に世界中で、様々な立場の人たちによって大激論が交わされ、語りつくされた感
もあります。

ただ、取り上げる必要性があるのは確かなので、説明不足を恐れず、
今回を〜事実編〜そして次回を〜意見編〜ということで、述べさせていただきます。


遺伝子組換え作物は
アメリカで1996年から商業栽培が開始されました。

遺伝子組換え作物は、特殊な遺伝子を組み込むことによって、

「収量が増える」「除草の手間が省ける」「農薬が少なく済む」

というメリットが謳われました。

しかし、この作物に関して世界中から大きな反対が巻き起こりました。
反対の主な原因は

●作物の安全性が確認されていない
●環境への影響がわからない
●花粉を通じて周りの畑が汚染される影響
●生命の遺伝子を操作するというのは倫理に反する
●神を冒涜する行為
●アメリカによる、作物の世界支配


アメリカでは、国内的な反対意見は根強いものの、1996年以降栽培面積を急激に増やしました。
2005年には
アメリカの農場面積の約55%(5千万ヘクタール)が遺伝子組換えになり、現在ではさらに増えていると思われます。

5千万ヘクタールというのは、
日本の全農地面積の約13倍です。

また、このとき既にアメリカでの大豆の87%、トウモロコシの52%が遺伝子組換え品種に替わっています。


アメリカ以外で遺伝子組換え作物を当初から積極的に取り入れた(栽培する)国は少なく、
アルゼンチン、カナダ、中国
程度でした。

EUでの拒否反応、反対運動は特に激しく、1999年から2000年にかけてEU内の実験農場の破壊・妨害活動が頻繁に起こるなどしたため、取り組んでいたアメリカの会社はEUから撤退することとなりました。
EUの反対が激しかった背景には、以下のことが挙げられます。

●イギリスでBSE(狂牛病)により多くの死者を出した教訓から食の安全に敏感であった
●反対する環境保護団体、宗教団体の活動が活発
●アメリカの穀物支配を恐れる
(遺伝子組換え種子の特許はアメリカの会社が持っている)

2000年以降は、栽培する国が増え、
ブラジル、インド、南アフリカ、オーストラリア。
そして2004年ごろからは
ドイツ、フランス、スペインなどEU内の国々でも栽培が始まり、急激にその面積を増やしています。

ただし、一方では世界中の自治体や生産者レベルで、GMOフリーゾーン(遺伝子組換え作物禁止)を新たに決めるところも出てきています。


日本では現在でも反対世論が強く、事実上、実験農場すら認められていません。



現在、世界中で栽培されている遺伝子組換え作物の90%が
「除草剤耐性」と「殺虫性」。

各国(主な国)の栽培作物は以下
アメリカ・・・大豆、トウモロコシ、綿、ナタネ、カボチャ、パパイヤ、
アルゼンチン・・・大豆、トウモロコシ、綿、
ブラジル・・・大豆
中国・・・綿

遺伝子組換え作物の実際のメリットとして、
大豆の収量が6倍に上がったとか、綿の殺虫剤散布が5分の1に減ったなど様々な成果が報告されています。
ただし、干ばつのときはむしろ通常作物より被害が大きいとの報告もあります。

遺伝子組換え作物先進国アメリカでは既に10年以上の栽培経験を経ていますが、今のところ、組み換え作物による食品被害や、環境への悪影響として明確な物は確認されていません。


日本ではあまり議論すら十分に行われていませんが、栽培が許されないだけではなく、遺伝子組換え作物を口にすることへの拒否反応が強いといえます。


遺伝子組換え問題は、拙著『食品の迷信』には書ききれなかった項目です。
次回は、〜意見編〜ということで、僕の個人的な意見を表明します。


posted by うな太郎 at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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