2013年02月07日

うなぎのニュース

個体数が減少して、絶滅危惧種に指定されたニホンウナギの稚魚シラスウナギ。
昨年12月からはじまった漁でも各地で不漁が深刻化しているようです。
台湾からの輸入シラスウナギも1キロあたり200万円台と高値で推移。
今年の夏もウナギの価格高騰は必至といった状況です。

これだけ希少価値の高まるウナギ。
栄養満点で美味しくて、幸せを運んでくれるあの香り。
人間が宇宙に出かける時代にあっても、
その神秘性をたもち続けるウナギの存在に感謝です。
posted by うな太郎 at 16:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月26日

うな太郎おすすめの本


イチオシ!

現役新聞記者の本

メディアの矛盾を斬る

日本の農業のことならコレ

さりげなく自分の本

環境を考えるならコレ
posted by うな太郎 at 10:47| Comment(6) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月07日

昆虫料理



本日、初笑いをしたのでその内容をご報告します。

日経記事の
「昆虫料理は『未来の糧』」


記事を書かれた内山昭一さんは、真剣に昆虫料理に取り組まれており、その本気度が伝わる文章でしたので、笑うというのは、少し失礼かと思いましたが、いや失敬!おもしろかったもので。。

内山さんは「昆虫料理研究会」を主催され、定期的に河原などに出かけ、
バッタやセミ、カマキリ、クモ
などの昆虫採集をして、それを
その場で「丸揚げ」
にして食べる活動を行っているとのこと。

旬で新鮮!ってとこか!?(-_-;)

あるイベントの企画では、次のような料理を出して
「おおむね好評だったと思う」とのこと。


タレをからめて焼き鳥ふうに香ばしく焼いたスズメバチの串焼き
*スズメバチの幼虫を生地に練り込んで蒸しあげた「虫パン」

ううっ。

また、内山さんの
「形を残すのが昆虫料理の醍醐味」
との信念から作った料理は・・・

*ムカデを素揚げしてチョコでコーティングすればサクサクした食感が楽しめる。
*アブラゼミの幼虫を素揚げにして酢飯に乗せたセミずしは、夏バテを吹き飛ばすエビに似た旬の味。

マジ?(V)o¥o(V)


他にも、

「大型のマダガスカルゴキブリは、やわらかな白身魚に似た淡泊な味でバター焼きが絶品」
⇒最初はペットショップが買っていたが今では飼育している!

カブトムシはホイル焼きにして殻をむき、胸部の赤身肉を食べると驚くほどの甘みが舌に広がる」

(>_<)

もともと昆虫は「もったいない」ほどたくさん生息しており、周囲で農薬が使われていなければ、安全な有機食品であり、毒性の強い昆虫は少なく火を通せば衛生面も問題ないという。

畜産や魚と比較しても、低コストで飼育できることからも、
「未来の食」
ともいえるらしい。

「食糧危機」の観点からいえば、昆虫は将来の人類の食料不足を救うことになるかもしれないということか。。。(*_*;


内山さんのブログを紹介します。
衝撃的な写真満載!
昆虫料理に興味のある方、又は怖いものを見たい方はどうぞ!
(ちなみに僕はもう見ません(;一_一))
昆虫料理を楽しむ


将来的に内山さんは
昆虫料理レストラン
を開く夢を持っているそうです。。。

僕も食品に深く関わっている以上、このような知識も経験も積んでいかなくてはなりませんが、なるべく避けて通りたい話題です・・・・・(^_^;)

昆虫料理レストランに至っては、例えギャラをもらっても遠慮したいところ。<(_ _)>

初笑いというより、初苦笑いの巻でした!!!





posted by うな太郎 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月28日

今年1年を振り返って



食品に関してこの1年を振り返ると、一言で言って、偽装事件の発覚が多発した年だった。

農水省の発表によると、12月16日現在で、
98件のJAS法違反による改善指示
を行ったとのこと。

そのほとんどが、たまたま今年から行ったというものではなく、長らくやっていたものがようやく内部告発によって明らかになったというもの。

偽装の取締と摘発は、それ自体は厳しく行うべきだし良いことと思うが、一方多いに懸念すべきことが起こっている。

それは取り締まり強化による、
役人の権限とコストのアップ
だ。
食品の安全という面でも、コスト意識がなく、かつ際限のない安全志向がムダなコストアップを招いてきている。

消費者の食品への誤解や無知はほとんど変化がないどころか、助長されており、絶望的にも思える。


「消費者」という名のもとに弱者を装った消費者権力の横暴も目立つ。

ない権利も主張する「消費者」にもマスコミや世論は見方する。

昨年末に当ブログで書いたお題は

「一億総偽装社会」
だ。
(内容に過激な部分があるため、現在見れません(^_^;))

主旨は日本人の本音と建前のかい離があまりに大きく、一人一人が自分を偽っている、或いは自分を理解していない偽装社会であるということ。

1年経った今もその思いが強い。

さらに言うと、
自分はエゴしか持ち合わせていないにもかかわらず、他人には高い倫理、教科書的な倫理を要求する。


だから「自分にとってはマイナスでも公的にはプラスだから、それに賛成する」といった成熟した社会人の発想がない。

消費者も政治家も、自分にとって良いことを主張するだけ。
役人も、自分の省庁にとって良いことを主張するだけ。


特に「消費者」と声高に語る人には消費者エゴしか感じられず、義務や責任が欠如している。


ただ一方で良い傾向もある。

食品の安全に関して、
非常に冷静な分析をしている記事が散見され始めた
ことだ。

僕のところにも、勇気を持って真実を伝えよう(勇気がいるんです!)という記者たちが訪れた。

東京新聞、毎日新聞、朝日新聞、中日新聞、北海道新聞、週刊文春、週刊女性などなど。
彼らは、まだ主流ではないものの、しっかりとした記事を書こうと真剣に耳を傾けてくれて、実際に良い記事を書いてくれた。

来年は主流になってくれることを望みたい。

さて最後に、今年起こった食品偽装の中のワーストランクをご紹介したい。

これは僕の全くの独断によるもの。
世間をどれだけ騒がせたかではないので、「魚秀」のウナギ偽装事件は入っていない。

これを見て、いかに偽装が深く広く行われ、今後もなくならないかを感じてもらえることと思う。

騙されるより騙す方が圧倒的に悪いと思うが、騙される方も、騙されることによって、騙す人間を肥え太らせ、元気づけさせている責任も感じてほしい。

来年こそは騙されないようにしましょう!(=^・^=)

そして無駄な出費、無駄な廃棄をしないようにしましょう!(●^o^●)

では良いお年を!




1)サンシローフーズのウナギ偽装
茨城県のサンシローフーズは、ネットショップで、中国産ウナギを「四万十産」と表示し販売していた。しかも、販売実績のない価格から値引きしたように見せかけていた。
このネットショップは楽天から優秀な店を表彰する「大賞」を受賞していた。


2)タケノコ製品偽装

愛知県の「たけ乃子屋」は中国産のタケノコ水煮1100トンに国産14トンを混ぜて熊本県産など国産と偽装表示。(国産率0.1%)
偽装は4業者と協力して行われ、その中には、偽装協力業者の社員スナップを「県竹林農家のみなさん」とタケノコ生産者のように表示していた。


3)クエの偽装

大阪の水産会社「矢崎」が「アブラボウズ」を「クエ」として販売していた。
また、福岡市の料亭「てら岡」もクエ鍋セットとしてアブラボウズを販売していた。
クエは関西以西を代表する高級魚。
農林水産省による市場聞き取り価格は下記。
クエ;3,000ー10,000円/KG
アブラボウズ;700ー1,500円/KG


4)青森県果工のジュース偽装

青森にある青森県果工は、中国産のリンゴ果汁を青森産と偽装して販売していた。
さらに、「ストレート」と表示したジュースに使用が認められていない濃縮果汁や香料を使っていた。他にも表示にない香料や酸味料などの食品添加物が使われていた製品もあった。
これら商品は、日本農林規格(JAS)の認定を受け、JASマークが使われていた。
JAS認定機関である日本果汁協会は原則、年1回の工場調査をしているが見抜けなかった。


5)一色漁協のウナギ偽装

愛知県のウナギの養殖産地、一色町の一色漁協が台湾産ウナギを一色産として販売していた。
一般私企業ではなく、偽装を正すべき立場の漁協自らが行っていたことが特異だった。
一色漁協は、自社製品を差別化するために、シラスから一貫して地元で生産していることを謳った認証マークまで作っていた。


posted by うな太郎 at 22:11| Comment(3) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月20日

”顔が見える”生産者偽装



先日tv出演した「キミハ・ブレイク」の中で、オンエアはされなかったが、中居正弘と大竹まこと(敬称略)そして僕が会話になったシーンがあった。

中居君
「今後どうすれば、偽装がなくなるんでしょうね?」


「偽装をなくするのは非常に難しいですね・・・」

中居君(僕の次の言葉に大きくかぶせて)
「難しいんですか!!!偽装をなくすることがそんなに難しいのですか!!??どうしてなんです?」


「要するに、偽装をした場合のウマミがあまりに大きいからです。例えば、品質は何も変わらなくても国産と中国産では通常で2〜3倍の値差があります。」

大竹
「そうだよね!ウナギだってスーパーでみたら、国産と中国産では、何倍も違うんだよね〜!」


「さらに万一捕まっても、ほとんどのケースでは、JAS法違反で注意だけで済んでしまうんです。」

中居君(驚いたように)
「本当なんですか・・・」


中居君は僕の話を非常に驚いて聞いていましたが、僕自身は彼が驚いていることが意外でした。

長年食品業界にいると、当たり前になっていることが、一般の方には驚きであるということを改めて感じられたシーン。

改めて言うと
食品偽装はなくなりません。


世の中には、いつの時代もどこの国でも犯罪はある。
しかも人殺しや盗みなど、誰もが犯罪であることを認識し、捕まったら刑に処せられることがわかっていても犯す。

食品偽装は、ウマミが大きい割に、簡単にできるし、捕まっても実刑までいくケースはまれ。
さらに品質や安全性が同じであれば罪の意識も薄い。

だから、食品偽装がなくなるというのは、世の中に人殺しも盗みも詐欺もなくなった後でなくては起こらない。

そんなことありえないというのがおわかりと思う。

決して偽装を正当化する気はないが、消費者はそういった前提で生活していくべきだ。



先日も中国産タケノコを国産と偽装していた愛知県の「たけ乃子屋」が摘発を受けた。
今回の特徴は偽装表示を協力した業者が4件もあったこと。

「たけ乃子屋」は、その4業者に販売し、「熊本県産」などと表示した袋につめかえさせて、販売額の1割増しで買い戻していた。

さらに、その協力業者の社員のスナップ写真を使用し、「県竹林農家のみなさん」とタケノコ生産者であるかのように表示していた。

つまり今大人気の「生産者の見える商品」を利用した偽装。

「生産者の顔が見えるから安心ね!」
と信用して買ったところが、実はその”生産者”は偽装を結託して行っていた社員だったということ。。
もちろん中身は国産ではなく中国産。。


僕はかねてから、「生産者の見える商品」人気の危険性を指摘してきたが、その恐れがまさに現実となっていた。

食品偽装は単純にラベルを貼り替えるだけではなく、このように手の込んだ、そしてある意味、体を張った演出で行うようになっているのだ。


実は僕のブログで
「食品表示を見ないで買うべき16の理由」というのがある。

主旨は、食品表示をくまなくチェックしてから買う人ほど騙される!
という皮肉な現状を語ったもの。
その今年の6月の記事でも警鐘を鳴らしていた。

「”生産者の顔が見える”の落とし穴」





posted by うな太郎 at 11:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月07日

食品の無駄2



今回は、食品の無駄に関しての前回の続編といたします。

消費期限は、保存期間が短いもの(製造日から概ね5日以内)に表示し、賞味期限は、保存期間が比較的長いもの(製造日から概ね5日以上)に付けられます。

冷凍品に関しては当然のことながら賞味期限が記載されています。

そして冷凍品の原料(魚でいうと一匹まんまやフィレなど)の賞味期限は製造日から通常18か月から24か月

「えっ?そんなに長いの?」と思う人も少なくないでしょうが、それが現在の食品流通の常識であって、一般の人があまり知らないだけ。

業務用の冷凍庫は、家庭用のものとは大きく違っており、
通常マイナス30度前後

ここで保存すれば、包装状態が良ければ、2年半(30か月)ぐらいは何の問題もありません

ちなみに外気が当たるようなずさんな包装状態であった場合は、すぐに冷凍ヤケといって、中の脂が浮き出て変色し、身がボロボロになります。


つまり6日の賞味期限が1日超えたら「賞味期限切れ」なのは当然ですが、冷凍品のように2年間から1日超えただけでも「賞味期限切れ」になります。
一口に賞味期限切れと、これだけ大きな差があるのです。

2年間の賞味期限が1日やはたまた30日ぐらい超えても、品質に何の変化もないのが普通。
極端な話、1年ぐらい超過しても、加熱調理して食べるのであれば何も問題ありません。

しかし、一般消費者はそういった事実を知らないか、知っていても異常に敏感なせいで、賞味期限切れ=食べられない、といった世論になっています。

メディアも無知な場合が多く、
賞味期限切れの食品を販売してはいけないと勘違いしているがため、
批判一色の報道がなされる場合があります。

そうなってからでは企業としては取り返しがつきません。

そのせいで、現在冷凍食品の流通では、賞味期限切れを極度に怖がるが為、
期限切れが近いものは大暴落しています。

切れたら、即廃棄処分にしなくてはという脅迫観念。
廃棄処分にするのもお金がかかるので、期限切れ直前のものはタダ同然。

当然、在庫を持つ業者は大損!

消費者は、業者の損だから関係ないと思うなかれ。
会社の雇用や給料に影響するし、何より今後販売時にはそういったリスクを勘案して販売しなくてはならないので、価格に反映されます。


現在、日本人が食べている水産物のほぼ半分は輸入品。
そして輸入品のほとんどは冷凍品です。

国産のものでも、サンマやサバのように冷凍品が多いものもあるので、
日本人が食べている水産物の半分以上が冷凍品

だから、この事実も大量の食品が廃棄される温床になっています。


厚生労働省が先日、「加工食品の表示に関するQ&A」というものを発表しました。
厚生労働省Q&A(第2集:消費期限又は賞味期限について)

珍しくかなり踏み込んだ内容になっております。
Q29の消費期限と賞味期限の切れた商品の販売に関して、抜粋します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

仮に表示された期限を過ぎたとしても、当該食品が衛生上の危害を及ぼすおそれのないものであればこれを販売することが食品衛生法により一律に禁止されているとはいえません。
しかしながら食品衛生を確保するためには、消費期限又は賞味期限のそれぞれの趣旨を踏まえた取扱いが必要です。

まず、消費期限については、この期限を過ぎた食品については飲食に供することを避けるべき性格のものであり、これを販売することは厳に慎むべきものです。

また、賞味期限については、期限を過ぎたからといって直ちに食品衛生上問題が生じるものではありませんが、期限内に販売することが望まれます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

つまり簡単にいうと、賞味期限切れの食品は、期限内に食べるのが望ましいが、衛生上の問題がなければ販売してもいいよということ。

そして何より注目してほしいのが、消費者側の心得にまで言及していること。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「賞味期限」が表示されている場合には、その年月日を過ぎた場合であっても、食品の品質が十分保持されていることがあります。すぐに捨てるのではなく、その見た目や臭い等により、五感で個別に食べられるかどうかを判断するとともに、調理法を工夫することなどにより、食品の無駄な廃棄を減らしていくことも重要です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

これら厚生労働省の発表に「いい仕事ぶり」としてわかりやすく解説なさっている方がいます。
多くの本を執筆なさっている科学ライターの松永和紀さんのブログです。
松永和紀blog〜厚生労働省のいい仕事ぶり〜


厚生労働省はせっかくいい内容の発表をおこなったのだから、もっと広報活動をして、一般消費者に知らしめるようにするべきです。
そうでないと、このまま食品の無駄とその経済的損失がタレ流しされ続けることでしょう。
posted by うな太郎 at 11:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月30日

食品の無駄



僕は、「食品の無駄」は食品の安全と偽装などと同じぐらい重要な問題だと思う。

「フードバンク」では、余剰食品を食べ物として有効に活用し、生活弱者を支援するボランティアを行っている。
ホームページ⇒フードバンク関西

コンビニなどで大量に捨てられるお弁当や総菜類。
そのほとんどは、賞味、消費期限切れ。

「消費期限」切れは衛生上の問題があるので、やむを得ないにしても、
「賞味期限」切れは本来の味や食感が落ちる程度の期限なので、有効活用するべきもの

しかも、メーカーは絶対に品質問題を起こさないために、例えば90日日持ちすると判断しても、実際には60日ぐらいに設定するように大幅に余裕を持っているのが通例。

しかしそれでもコンビニ、スーパーは「フードバンク」に対して余剰食品を渡さず、廃棄するほうを選ぶ

なぜなら、万が一でも食中毒を起こすことを恐れているためだ。


横浜の「さなぎの食堂」では、コンビニから賞味期限3時間前(コンビでは安全面を考慮し、3時間前に店頭からはずす)に弁当などの食材を毎日もらってきている。
そしてそれを改めて調理してボリューム満点の300円の定食を出している。

「フードバンク」と「さなぎの食堂」の違いは、前者はいつ食べられるのかわからないのに対して、後者は、食される場所と時間がわかっていることと、万一食中毒が起こったときの責任の所在の部分。

しかし僕は「フードバンク」の場合でも有効活用するべきと考える。

もちろん問題が起こったときは食べた本人の責任だ。
その食品を提供する側は、賞味期限などの履歴は正確に伝える必要はあるだろう。

本来人間には食中毒の起こるものを食べない防御本能が働くもの。
臭いや味で判断できるものだ。

獲れた魚や野菜・果物に賞味期限があるかといったらない。

もともと企業が調理加工しないものには賞味期限などなく食べている。
それで何も問題はないのだ。

世界的に見れば豊かな日本でも明日の食べ物にも困っている人は大勢いる。
年収200万円以下の人は1000万人以上いるがこの人たちは、できうる限り食費を切りつめたいはずだ。

お金持ちと供給者の論理だけで、厳しい規格と賞味期限をクリアーした食品だけが並ぶのはおかしい。

規格外でいいから安いものが欲しい人にも選択の自由を与えるべきだ。

規格外品の多くは廃棄されるものなので、ただ同然のものも多い。

廃棄されれば、燃やすことにより大気がよごれるし、灰もどこかに捨てられる。
廃棄費用を惜しんだための違法投棄も後を絶たない。


現在は、
「安全のためにはコストをおしまない」
「安全が保障されたものじゃなきゃ食べられない」
といった意見が主流だが、
この考え方は、非常に無責任で不勉強な考え方だ。
なぜなら、とてつもない無駄とコスト高を生み、ひいては精神的荒廃を生む。

「もったいない精神」は、経済的に助かるだけでなく、心の問題にも良い影響を与える。さらに所得の再分配機能を持つことにつながる。



世界に広がっているという日本語「mottainai」
世界一もったいないことをしている我々としては恥ずかしい限りだ。

posted by うな太郎 at 15:21| Comment(3) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月26日

「キミハ・ブレイク」TV出演



「よろしくお願いしま〜〜す!」

僕がスタジオに入ったとたん、中居君が歩み寄ってきて、ニコッ!と挨拶してくれました。

中居君は、目力が強いのに愛嬌があって、思っていた以上にかっこよかったし、全体の司会を通じて人間的な魅力も感じました!

そういうわけで、
昨日TBS「キミハ・ブレイク」の「中居正弘の家族会議を開こう9」
〜告発!食品偽装〜
に出演いたしました。

収録は2週間前に、2時間半ぶっ通しにて行われました。
放送は正味40分程度でしたが・・・


食品偽装に関して、建前や押し付けではない、ありのままの真実が語られる良い番組だったと思います。

ミートホープを内部告発した赤羽さんが、元同僚からだけでなく親戚からも嫌われ、村八分状態になってしまっていることに、僕もある種の衝撃を受けました。

確かに、ミートホープがつぶれたことによって、職を失った人たちからすれば、
内心「余計なことをしてくれた。自分たちだけヒーローかよ」
といった感情があるのは理解できなくはありません。

しかし、それをあからさまに表に出して、「いじめ」を行うというのは、まさしく日本社会の閉鎖性が垣間見えます。

放送でカットされましたが、僕が採用して欲しかった発言は、
「村八分にしている人たちも普段は偽装は許せない、という人たちなはず。それが自分が関わっている場合は、許せという話になるのは完全にエゴ。」


また、消費者の被害だけに目が向きがちですが、同業他社の被害はそれ以上といってもいい。

ミートホープのがシェアを伸ばしていく中で、売上が減り、職を失った人たちがいることは容易に想像がつきます。
そして、ミートホープがつぶれた今、その分の需要は他の会社に向けられ、雇用を創出しているはず。

偽装している会社が生き残るべきか、まじめな会社が生き残るべきか、改めて語るべきもないことでしょう。

また、赤羽さんがしみじみ語っていたのは、
「”公益通報者保護法”は経済的には守られても、社会的には守られない」

赤羽さんは、社会的に正しいことをやったものの、今でも「告発してよかったのか」悩む日々

偽装を暴くために最も有効な「内部告発」の実態がこのような状況では、偽装がなくならないわけです。









posted by うな太郎 at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月22日

中居正弘の家族会議を開こう



TBSテレビ、毎週火曜日の19:56から「キミハ・ブレイク」という番組があります。

来週25日には、その番組企画で「中居正弘の家族会議を開こう」をやります。

ご存じスマップの中居正弘がMCを勤め、
「社会で起きる様々な問題、そして、家族ひとりひとりがどう生きるべきかを真剣に考える」
といった至極まじめなものになっています。

今回のテーマは「告発!食品偽装」

タイムリーですね〜!


ゲストは、ミートホープの元常務で、内部告発をした赤羽さん。

彼の内部告発が発端となって、ミートホープのあらゆる偽装が明らかになり、会社は倒産、社長は実刑判決となりました。

この方の証言や、再現VTRを元に、パネラー陣(大竹まこと、浅草キッド、カンニング竹山、高田万由子、マツコ・デラックス、川原ひろし)が議論します。

驚いたことに、赤羽さんは、社会的には大変有意義なことをしたにもかかわらず、親戚、知人から嫌がらせにあうなどして村八分状態になり、現在は長野で一人暮らしをしているとのこと。

奥さんとの間にも亀裂が生じ、家族とも別居状態なのです。

結局、地元では会社がつぶれたことによって、社員100名以上が職を失い、そのことによる赤羽さんに対する反発、反感が強かったということです。

食品偽装とは?
内部告発とは?
家族とは?


を真剣に考えさせてくれる、大変良い番組になると思います。

パネラーはお笑い系の人が多いのですが、めちゃめちゃ真剣に考え、語っています。

中居君のMCぶりも見事!
3連休の後の25日(火)19:56TBS、おすすめします。


posted by うな太郎 at 10:37| Comment(5) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月20日

うなぎの肝串とは



若者を中心に、うなぎの肝串を知らない人が増えてきているようなのでここで説明します。

うなぎの肝串は文字通り、うなぎの内臓を串に刺したもに蒲焼のタレをつけながら焼いたものです。

ここでいう肝は
肝臓だけではなく、腸なども含みます。

焼き鳥に使用するような串に、焼いた後や食べる前にバラバラにならないように、何度も何度も串に刺しながら形を一定に保ちながらぐるぐる巻きにします。

使用するうなぎの大きさによりますが、だいたい
一串に2〜3匹分のうなぎの内臓
が使用され、焼いた後の重量は1本当たり30gぐらいが目安です。

いくら世界で水産物の需要が高まっているといっても、うなぎの内臓を食べるというのは外国で聞いたことがありません。

これは
日本の伝統的食文化
の良さではないでしょうか。

クジラでもそうですが、自然の恵みを余すことなくできる限り利用するものです。
おまけにうなぎの肝は
栄養価が豊富
で、身の栄養価を凝縮しています。

何より、お酒にあいます!(*^^)v

濃厚な味わいと、腸のチャキチャキした弾力が絶妙!


だから僕は当ページ右上バナーにあるように、

「うなぎの肝を見直そう!」
とのスローガンの元に、「日本相談党」から立候補しています。^^
清き一票を!?(-_-)/~~~

そんなうなぎの肝串が多くの日本人から忘れ去られようとしています。

なぜなら、その主な供給先である中国産が風評被害から売れなくなり、国産は供給が足りなく非常に高いからです。

過去10年来、中国産の値段は輸入業者の販売価格はだいたい
1本20〜25円
でした。
5年程前に供給が激減したときは、
55円
までいきました。

しかし、今では需要の激減とともに価格は暴落して、1本
2円


20円ではありません2円です。
「タダでもいらない」という声さえ聞こえます。

コストが15円ぐらいだから、もちろん再生産のきかない値段。
2円では資材費も出ません。

中には売れないまま賞味期限が過ぎたため、10トン単位で廃棄した、という話まで聞きます。

輸入冷凍品の賞味期限というのは、通常製造日から2年間あり、それを少々過ぎたからと言って、衛生的に問題がでないのはもちろん、品質の劣化すらほとんどないものです。

なんともったいない!(*_*;


1本の肝串を作るのに非常に手間がかかるし、うなぎが2〜3匹いないと作れないものです。

国産に関していうと、活鰻として町のうなぎ蒲焼屋に行く分の肝はそこでお吸い物にされるだけで終わり。
国内の蒲焼工場で生産されるうなぎから細々と生産されていますが、値段は1本
90〜100円


中国産ならスーパーで3本240円でも儲かりすぎるぐらい儲かりますが、国産なら3本480円以上でなくては合いません。

そういうわけで、今年は、真夏であってもほとんどのスーパーにうなぎの肝串が置かれなくなってしまいました。

日本人が食べないと、家畜のエサか廃棄処分です。


日本の伝統食である、うなぎの肝を栄養バランスの強化、資源の有効利用という観点からも見直しませんかぁーー?(-_-)/~~~


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2008年11月15日

ウナギ偽装容疑で逮捕状



本日、中国産ウナギ蒲焼を国産の「一色産」と偽装した事件で、関係者数名が逮捕されました。

逮捕状がとられたのは、以下の8名。

「魚秀」・・・社長、福岡営業所長
「神港魚類」・・・元担当課長
「土佐海商」・・・元専務ら2人
「大洋水産」・・・元専務とその弟
 東京都の商社社長

報道されている事件の概要は、

今年1月に「魚秀」福岡営業所所長と「神港魚類」元担当課長が偽装を発案。
「魚秀」社長が「土佐海商」元専務に話を持ちかけ、具体的方法を計画。

中国産のウナギ蒲焼256トンを「大洋水産」関連倉庫内で「一色産」の箱に詰め替え偽装。
発覚しにくくするために、伝票の経路を「魚秀」から東京の商社2社を通し、「神港魚類」に販売した。

「魚秀」の利ざやは3億3千万円。この中から「土佐海商」に1億円、「神港魚類」元担当課長に1000万円、東京の商社2社に計4000万円が支払われた。


首謀者とされる3,4名は僕も以前からよく知っているので、本当に残念で複雑な気分です。

許されないことを悪質な手口でやったのだからこうなるのも当然ではあります。
しかし、そう思う反面、他の同様の犯罪との比較でいえば、非常に重い刑、重い社会的制裁を受けることになるような気がします。

逮捕者がいままでになく広範囲であることも特徴です。

これは一つの時代の大きな変化だと思います。

昨年まではほとんど「ヤリドク」だったのは事実ですが、今はもうそれでは済まないことを、業者もしっかり認識する必要があるでしょう。

こういったことは、当然のことながら、偽装に対する抑止力として働くと思うので良いことと思います。

ただし、捜査方法も刑罰も、世間をどれだけ騒がせたかによって大きく変わってしまうのはよくありません。
それは報道の仕方によることだからです。
行った事実、意図、計画性、規模、常習性、地位などで公平な判断をして欲しいと思います。


罪は今回の不正競争防止法違反ですと、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
上限の量刑が不正競争防止法の2倍の詐欺容疑でも捜査するようですが、単なる偽装表示の場合はその立件は難しいようです。

その後の態度が悪質でない限り、実刑にはならないと思うのですが、どうでしょう。

いずれにしても、早く罪を償ってほしいものです。









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2008年11月05日

ガラパゴスニッポン島の固有種2

前回は、日本人の特性として近年顕著に表れている特徴の一つ目として、情緒的短絡的悲観的という点を挙げた。

二つ目は、「従順で騙されやすい+新形質」ということ。

「新形質」は後で説明するとして、「従順で騙されやすい」ということはどういうことか。

その根本にあるのは、封建的全体主義

政府機関のトップも政府の見解と違う発言をすると責任を問われ、辞任に追いやられる。
事実上「クビ」の理由が、内容の是非ではなく、「政府と異なる見解だから」といったことは全体主義の表れ。

とても民主主義とは思えない。

また、一人の責任も所属先全員と責任とされるとも特殊だ。
高校野球が典型例だと思うが、一人の犯罪も連帯責任となる。

日本代表のスポーツチームには必ずと言っていいほど○○ジャパンと○○に監督の名前を配する。

組織を軍隊のように縦型構造と捉え、“隊長”が全権を掌握し、”部下“は隊長の指示に従う駒のような存在であることが良いとされる。

だから部下に必要なのは能力よりも、和

和を大切にするということは言いかえると従順であること。
だから、権威に弱く流されやすい
そして騙されやすい

マスコミ情報を鵜呑みにすることはその一例だ。
「テレビでやっていた」「新聞に出ていた」という枕詞をつければ、「本当なはずだ」ということを言っているようなもの。

食品の安全報道では、間違い、偏向・偏狭だらけ。例えば「中国食品は危険で国産食品は安全」といった前提の報道はすべて間違いといっていいが、ほとんど疑問に思われることはない。

国の流す情報や施策に従って、住宅を買ったり、国債を買ったりする。
国連至上主義も日本が顕著だ。

騙されやすいという最近の例では、「振り込めサギ」
もうここ数年問題化し、多くのメディアで注意を呼び掛けているにも関わらず、騙される人が減るどころか増えている。

今年の被害額は過去最高ペースだ。
先日は、警察の全国規模の警戒が行われ、ATMに警察官が配置され、一人一人の客に「大丈夫ですか」「騙されてませんか」と声をかけていた。

お年寄りだけではなく、かくいう僕も声をかけられてしまった。

しかし、警戒期間に被害にあった人のなんと1/3は、声をかけられていたにも関わらず、その注意を振り切って振り込んだ人ということ。
これではもはや救いようがない。

国の取り締まりは、大人に対するものとは思えない異常なものだが、実際に大人に必要な「自己責任」を求めることができないほどの異常な防衛意識の低さがある。

さて、全体主義的でお人好しで騙されやすいということは、ある意味昔からの日本人の性質であると思う。
しかし、近年「新形質」といえる顕著な新しい特徴を備えるようになった。

それは「消費者」としての新たな特権意識が強くなったことによって、サービス提供者に対して、極めて我がままになったこと。
モンスター化したといっても良い。

この強い傾向は、ケンカを知らない者のケンカの方が怖いのと同じで、元来自己主張していなかった者が自己主張し始めたため、その程度や限度がわからないのだろう。

食品でいえば
「安全を100%保証しろ」
「賞味期限が過ぎたものやちょっとでも怪しいものは捨てる」
「色や形がきれいで揃っていなくては買わない」
「でも無添加、無農薬であるべき、ただし価格は通常品並み」

日本の消費者がこのようになったそもそもの原因は、マスコミとサービス提供者にあると思う。
マスコミは常に“ウケ”のいい、「消費者の味方」「弱者の味方」を標ぼうし、事態を冷静に判断することなく、「疑わしきは消費者の利益に」とする。
結果として何でもかんでも「消費者が正しい」としてきた。

サービス提供者も「お金のためならなんでもする」といった卑屈なサービス合戦となり、消費者のどんな我がままも通すようになった。

世界でもまれなサービスの良さがアダとなってきた。

いまや、日本では「消費者」は強者であり、弱者ではないことが多い。

むしろサービス提供者が弱者で苦しめられるケースが後を絶たない。

この行き過ぎた我がままが、最終的にはコストに跳ね返ったり、サービスの低下につながることが既に現実化してきた。

企業は、我がままな客からも決して苦情が来ることがないよう、最新の注意を払い、厳しい基準を設けることになる。

それが、通常に利用する人の利便性を下げ、コスト高を生むことになる。


前回分と話をまとめると、次に挙げる特徴を持った人は、ガラパゴスニッポン島の固有種だ。
本ブログの趣旨から批判的側面だけを表現した。

情緒的短絡的悲観的。そして全体主義的で騙されやすい。
さらに立場が「消費者」になると、自分の責任を省みず急に我がままになる。


一度、自分を客観的に省みてはどうだろう。

posted by うな太郎 at 11:40| Comment(4) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月01日

ガラパゴスニッポン島の固有種

日本人はその地理的要因と元来持っている閉鎖性、保守性のために、
世界でもまれな特有の性質を持つ。

特に近年顕著に表れていることは、2つ挙げられると思う。
一つは非常に情緒的短絡的悲観的ということ。
二つ目は次回取り上げる。

目の前に起こったことが全体の中でどういう位置づけにあるかを考慮することなく、過度に恐れる。

「木を見て森を見ない」
の例えにならって説明する。

「この木は花粉をまき散らすとんでもない木だ」という話になると、
「すぐにその木を切ってしまえ」となる。
しかし、まわりの木はすべて花粉をまき散らす。もっとたくさんまき散らす木もある。
もっと手間がかからずに切れる木もある。
そもそも、木があることによる様々な効用を考えなくてはならないし、切ったことによる
デメリットも考えなくてはならない。
それでも「まずはできることから」と主張する。


原油は過去3か月あまりで暴落し、
円ベースでいえばピーク時の1/3
になった。
高騰しているときは、「生活が大変になる」とおびえ、一気につつましい生活になる。

しかし今は暴落して安くなったのだから、本来多いに喜ぶべきことではないか。
原油の高騰が「悪いことずくめ」なら下落は「良いことずくめ」なはずだ。
ところが、その事実を無視し、
株の下落や円高などの負の側面ばかりを追う。


最近の急激な円高では企業業績の悪化ばかりが伝えられるが、日本が外国より相対的に認められている、輸入品が安くなる、円資産の価値が上がるなどのメリットを考えない。


こんにゃくゼリーはのどに詰まらせて死亡するケースが多いということで、製造中止に追い込まれた。
しかし、のどに詰まらせて死亡事故が起こった原因は、他の食べ物によるものが圧倒的に多い。

東京都の調査では
「ご飯・すし」「パン」「もち」の順で死亡事故が多く、これらはこんにゃくゼリーよりはるかに事故が多い。


のどに詰まらせる事故が起こる食品が禁止なら、食べるものは流動食しかなくなる。



最近、多くの中国産食品から検出されているメラミン。
サイゼリアはメラミンが混入していたとされるピザを食べた人への返金を実施した。
混入していた量は体重50kgの人が1日70枚のピザを毎日食べても害がない値だ。
メラミンだけではなく、あらゆる農薬や抗生物質などの異物が検出されると、恐怖を感じ、廃棄処分にする。

しかし、分析精度の飛躍的向上によって、
有害物質を一切含まない食品など存在しない
ほどになっている。自然の植物でも同様だ。

有害物質が含まれるかどうかの基準で食べようとすると、食べるものがなくなる。


悲観的な話が好きで世の中の様々な危険といわれる情報を集め信用する。
危険情報マニアも多い。


未来の恐怖を語る人に「警告してくれてありがたい」という感謝の気持ちを持つ。
食品添加物、農薬、遺伝子組換え作物、水道水、ダイオキシン、環境ホルモン、電磁波、BSE、地球寒冷化、鳥インフルエンザ、などなど結局何も起こっていないか、起こっても予想よりはるかに小さな被害のものばかり。

しかし「何も起こらなかったではないか」と文句を言うひとはほとんどいない。

唯一大きな批判を浴びたのは、ノストラダムスの大予言の五島氏。
五島氏は著作物で巨万の富を得る一方で、人々は「予言」に怯え、自分だけ生き延びようと数百万円もする核シェルターを買ったり、オウム真理教のような怪しい宗教にのめり込む者が急増した。

日本ほど恐怖に踊った国は珍しい。

このときは、1999年7月と特定したため、はずれたことが明白になったことから批判が巻き起こった。
しかし、これは特殊ケース。

ほとんど批判がない理由は次々と未来の恐怖を語る
「狼少年」が大好きということ。
予言がはずれたことがわかっても
「20〜30年後に起こるかもしれない」と信じ続ける。

事実「科学的に安全性が証明されていないから危険!」
といった論法で煽る本はよく売れる。
ベストセラーになると30〜50万部にもなる。

科学的にリスクを分析している良本も実は数多く出版されているが、
そのほとんどが初版だけで終わっている。

僕の「食品の迷信」は初版の6千部すら売れていない・・・・・。


販売数は100倍の差

言わば、100人いるとして99人が恐怖を煽る本を手に取り、たった1人だけが客観的な事実に基づいた本を取るということ。

情緒的短絡的悲観論が好きで、客観論、楽観論に興味はないのだ。
僕のような”変異種”の情報を受け入れられないのだろう。

同質の周りの人たちと不安を共有する話題が欲しいのだ。
科学的知見や当該機関の正式見解より、科学のシロウトの情報を信用する。

食品は過去50年間で飛躍的に安全になった。
にもかかわらず、
「食品の安全がおびやかされ」
「何を食べていいのかわからない」状態でいる。
中国産がいくら安全でもたまたままれに起こる事件だけを見て、「危険」と思いこみ、
「いくら安くても買わない」と決意する。

際限のない安心ゲームの中で、過大な廃棄リスク、風評被害リスクばかりの食品産業は産業として成り立ちにくくなった。



医療事故も以前より大幅に少なくなり、出産時などでも死亡するケースは少なくなった。
そのためいつのまにか100%安全なものと思いこみ、失敗すると医者の責任にする。

挙句の果ては、医者は告訴され、逮捕、医師免許はく奪。
命を預かる医者のなり手がなくなり減っていくのは自然の流れだ。



日本人は先進国では突出して自殺率の高い国だ。
自殺の原因は「病気」「経済苦」の順だが、根本的にあるのは考え方が悲観的ということがあるだろう。

現在の食品を「安全なものがない」と思うということは、生きることすべてが危険なことだらけで、心配で夜も眠れないのではないだろうか。


情緒的短絡的に相手を非難し、責任をとらせることがどういう結果を生むのか、
悲観的な心の営みが幸福に通じるのか、考えてみるべきではないだろうか。



posted by うな太郎 at 16:26| Comment(5) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月25日

インゲンマメとカップヌードル

中国産冷凍インゲンマメで健康被害が出たニュースは非常にセンセーショナルに報じられた。

事件が起きてからほぼ3日間はトップニュースの扱い。
インゲンマメがどこで収穫され、どこで生産されて輸入されたかを詳しく伝えた。
2日目は、日本の株価が歴史上2番目の暴落率を示した日だった。

日本では、世界的な恐慌の現実化より、重要なのはインゲンマメだ。


麻生総理まで「(中国側に)善処を求めなくてはならない」といった発言をするなど、この間は日本の最大関心事となったといっていい。

しかし、「次々と健康被害を訴える」人が出てきたが、ほぼすべてがインゲンマメ製品とは無関係であることが判明。
結局被害者は最初の一人だけで、ジクロルボスが検出されたのは、その時の一つだけだった。


これに対し、カップヌードルから防虫剤成分が検出され健康被害が出たケースは非常に抑制的な報道となっている。

初日からニュースの最後のほうだ。

既に全国で21件の検出事例が確認
されており、どこまで広がるかわからない問題であるにもかかわらずである。

しかもインゲンマメは全面回収だったが、カップヌードルは同じ製造日の製品だけの回収。


これらインゲンマメとカップヌードルの報道姿勢の違いは、
ひとえに中国産から国産からの違いによるものに違いない。

インゲンマメの時はことさら「またも中国産」という言葉が強調され、他の中国産食品の問題とからめて報道された。

しかし、検出されたジクロルボスは日本でも広く販売されているため、日本での混入の可能性もかなり出てきたせいであろう、ニュースが急に下火になった。

中国産なら徹底的にたたき、国産なら平静な報道になる。



食品への異物混入事件は日本でも頻繁に起きている。
ごく最近だけでも・・・

パンなどへの針の混入は札幌で十数回起こるなど全国で起きている。
茨城県では、茶碗蒸しに毒を入れて家族を殺害したとして、孫が逮捕された。
北海道では給食に出されたエゾシカの肉の中から、ライフル弾の破片が見つかった。
東京ではスーパーを脅迫するために、焼き鳥のタレに除草剤を混入させた者が捕まった。

マスコミの報道姿勢は、恣意的に中国産をたたき、優越感にひたっているとしか思えないブザマなものだ。

冷静な分析や全体を見ることもなく、いつも扇情的、情緒的に行われる。

結果として、間違った民意が形成され、大きな経済的損失と、国際的な失笑と軽蔑を受ける”勘違い”を生む。


中国が劣っている面があるのは確かだが、日本に来ている食品が安全な部類に入ることは少し考えればわかること。
国産食品で毎年何人も死んでいるが、中国産では一人として死んでいない。

日本でのサンプリング検査、アメリカでの輸入通関統計、どれをとっても国産が優秀である証拠はない。
むしろ中国産が上である。

この国を”ガラパゴスニッポン島”にした最大の責任はマスコミにある。



posted by うな太郎 at 11:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月22日

昨日の「ぷっすま」

昨日、たまたまテレビを見ていたら、芸能人がうなぎの味の見極めをやっていた。

番組はテレビ朝日の深夜番組
「ぷっすま」


参加者はレギュラーのユースケサンタマリア、草薙剛、
そしてゲストの天野ひろゆき、南明奈の4名。

内容は例によって昔々から行われ続けている、
天然うなぎ当て


4つのうなぎ料理の中から、天然物(江戸川産)一つを当てるというもの。

結果は全員ハズレ!


アッキーナはうなぎを食べるのが初めてということなので、論外だが、他の3名は自信を持って「おいしいから」3番目に出たうなぎを
「天然」と答えた。
自信満々だったといっていい。

正解であった4番目を食べても、確信を深めていた。

この参加者たちは一般の人から比べると舌が肥えていると言ってもいいだろうが結果はこの通り。


いくら料理の出し手が、
「天然は風味が全然違う」
「天然は脂がのっているけどさっぱりしている」
「1尾6000円」
と自信を持って言っても、
いつも結果は養殖のほうがおいしいのだ


それでも、ほとんどの人が、
日本で獲れる天然物が一番おいしい
と信じ続けるこの摩訶不思議。


僕がいくら本で語り、当ブログで何度書いても広まらない(泣)

ガラパゴスニッポン!


島国で独自の進化(と退化)を遂げている。

独自のすぐれた面を持つ一方で、理解不能な固定観念を持つ。

posted by うな太郎 at 21:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月19日

おすすめの本

食品関係のリスクを語った本は、ほとんどが、
非科学的に恐怖を煽ったものか、現場・現状を知らない空論
ばかりを披露するものです。

その中にあって、僕が自信を持っておすすめできる本が出版されました。

これです。↓

誤解だらけの「危ない話」
著者;小島正美(毎日新聞編集委員)
エネルギーフォーラム


著者である小島さんは、長年マスメディアで情報を発信する立場
におられた方ということで、
現在の世間の誤ったリスク認識がなぜ起こったのかということを、メディア側の立場から分析
しています。

特に、本人自身が6年ほど前までは、正義感や勉強不足から、
不安を警鐘する記事が良いものだと信じて、それを書いていたと語っているだけに余計説得力があります。

解説しているリスク項目としては、
食品添加物、遺伝子組換え、BSE,電磁波、中国産食品、水銀、タミフルなど多岐にわたっています。

本ブロクは”うなぎ”ブログなので、それについて書かれていた部分を引用させていただきます。


=====ここから

日本の消費者は中国産ウナギを危ないと思っている。
(中略)例えば、養殖密度を比較してみよう。台湾や中国のウナギの方がはるかにゆったり飼われている。抗菌剤などの検査態勢も台湾、中国の方がはるかに充実している。日本国内でも自発的なサンプル検査はしているが、検査項目は少なく、権威検査が中心のため、検査体制の厳しさでは台湾や中国にかなわない。
なぜ、中国の方がゆったりと飼えるのか。土地代が安いからだ。3.3平方メートルあたりのウナギの数は中国では約12〜15尾と少ない。これに対し、国内では約180〜250尾と10倍も密だ。えさも中国では価格の高いスケトウダラの魚粉を使うのに対し、日本は安いイワシやアジなどの魚粉を使う。
にもかかわらず、蒲焼になると国産は1キロ約5000円なのに対し、中国、台湾産は約2000円と大きな差がある。日本の消費者は品質の良い中国産を安く買えるのに、危ないと錯覚して、あえて価格の高い国産を買っている。これはささいなリスクを過大視する不安行動がもたらす経済的な損失でもある。

=====ここまで


メディア報道の裏側を読み解くうえで、さらには世間のウソの常識にだまされないようにするために、非常に有効な素材を提供してくれる本です。


消費者が「危険」と信じ込んでいる様々な項目を、
「危険ではない」ということを既に前提として書かれているので、
少しレベルの高い本です。

しかし、非常に読みやすく書かれていますので、どなたにもおすすめできます。









posted by うな太郎 at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月13日

「自給率を上げよ」はまやかし



僕は、消費者が自主的に、日本の農業を守るため或いは日本の経済のために、日本の自給率を向上させようとすることは良いことと思っている。

ご飯をたくさん食べるようになれば自給率向上につながるが、
そうなれば日本の固有の文化が継承されるし、健康にも良いことになる。

しかし、現在行われている自給率向上の運動は、明らかに
「食糧安全保障のため」といった錯覚の上に成り立っており、それが国家的な危急な目的であるかのように扱われているのが大きな問題だ。

最近なって、このような主張をしているのが僕だけではないのがわかった。

今回のブログの題名は、明治学院大学の神門善久教授の「週刊新潮」(10月9日号)での題名
”「食糧危機」はウソ〜「自給率を上げよ」はまやかし〜

から拝借させてもらった。

神門教授は、他にも日本経済新聞の「経済教室」にも寄稿され、
「食糧自給率向上は的外れ」といった論文を出されている。

僕が今まで目にしてきた学者を含めた専門家と称する人たちが、
こぞって稚拙な論理を展開して危機を煽っている中にあって、神門氏の存在は一筋の光ともいえる。

「少数意見ほど正しい」
「反発の多い意見ほど価値がある」
といったことが多いので、僕一人だけの意見でもそれはそれでいいのだが、やはりこういう人の存在は心強い。

神門氏の記事内容は僕が今まで主張してきたことと非常によく符合するので、詳細はここでは省略する。

象徴的な一文だけをご紹介すると、

『(仮に食糧自給率100%にしても安心できないのは)1993年に日本で体験した大冷害の経験からあきらかである。コメの輸入を原則として禁止していた当時の日本は、この大冷害がもたらしたコメ不足に対して慌ててコメの緊急輸入を発動した。ところが、普段の取引がないためにコメ輸入のノウハウや設備に事欠き、見当違いの品質のコメを海外で買いつけてしまい大量に売れ残ったり、(中略)混乱をきわめた。さらに「苦しいときだけなりふり構わず輸入する日本」として、国際的にも失笑をかってしまった。』

そして日本がめざすべきは、食料自給率の向上ではなく、
『食料の安全確保に向けて、相互に輸入・輸出しあう構造を構築し、農産物貿易の厚みを増すことだ』



何事も「危険でない」と主張するためには、あらゆるすべてのリスクを考え解説しなくてはならないので大変な作業になる。

「危険である」はたった一つの事象を、将来の可能性として解説するだけでいいので簡単だ。


今後は神門氏のように、その大変な作業をやる人が増えてきてほしいものだ。


posted by うな太郎 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月11日

食糧危機報道の現実3



現在、世界のすべての人々に行き渡るだけの食料が生産され、供給されています。

問題は、富の偏在により、食糧不足の国と飽食の国ができていること。

日本はもちろん、良い意味でも悪い意味でも世界有数の”金満国家”で飽食の国。
供給食料の1/3を廃棄している。

世界中のおいしくて高い食品を輸入して食べている。
しかも輸入関税が高く設定され、穀物は世界の相場の数倍のお金を払って買っている。

そんな日本が食糧不足になるというのはどういうことかというと、
それは
世界の約9割以上の人たちが食糧不足で飢えた状態
になるということ。

地球温暖化を食糧不足と結びつける人も多いが、温暖化すればシベリアやアラスカなど今まで耕地に不向きだったところでも農業ができるようになるプラス面を考えれば、
供給が著しく減ることはない。


世界的に人口は増えているが、遺伝子組換え作物をはじめとした農業技術は進歩しているし、まだまだ世界中に耕地になりえる土地はたくさんある。

穀物のエタノール化は、貧しい国に食糧不足を起こす原因ではあるが、この問題は日本は結果的に加害者のほうである。

なぜなら、日本は原油が高くなったことから、それまでの生活レベルを維持するために、本来食料となるべき穀物をエネルギーとして活用するようになった当事者。

結果的に”ぜいたく”な暮らしを維持するために、貧しい国から食料を奪って、貧困や飢餓を助長したことになる。



このような中で、
日本が食料自給率を上げなくては”飢餓国家”となるなどという主張は荒唐無稽
としか思えない。

日本が世界の中で、どれほど金持ちで豊かなのかがわかっていない。

「1999年の7月に空から大王が降りてきて、地球上の大多数の人が死ぬ」と恐怖を煽ったノストラダムスの大予言を彷彿させる。


次回は「日本の食料自給率」に関する新たな話。


posted by うな太郎 at 16:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月10日

食糧危機情報の現実2



世界的な食糧危機に警鐘を鳴らし、日本は食料安全保障のために自給率を上げるべき、というのが知識人と呼ばれる人たちの、一般的主張だ。

世論もその通りに動いている。

最近出版されている書籍の中で目立っているのが、丸紅経済研究所所長・柴田明夫氏が書いた
「飢餓国家ニッポン」〜食料自給率40%で生き残れるのか〜

この方は、過去に「食糧争奪」「資源インフレ」など類似の本を出版している。

僕は「食糧争奪」と「飢餓国家ニッポン」を拝読させていただいたが、内容的には非常に似通っており、まさに題名そのものの内容になっている。

結論からいうと、呆れた内容と言わざるを得ません。

「飢餓国家ニッポン」で、何度も繰り返している言葉が、
”転ばぬ先の杖を100mも200mを先につくべき”

この比喩は非常に的確ですが、僕には矛盾としか思えません。

なぜなら、転びそうになるときに、100mも200mも先に杖があっても意味がない。 肝心の時に役に立たない杖にコストをかけるほどムダなことはない。

もしこんなことが許されるなら、では1キロも2キロも先に杖をつくのも許されるのか?

コスト意識が全く感じられない発想
のように思う。

また、食料危機に関して、
「おにぎり1個が300円になる日が来るかもしれない。そうなれば日本にも餓死者が急増する。」

僕の意見は、
「あり得ないことに怯えて、おにぎり1個100円で食べれるものを150円にするべきではない。」

また、同氏は
「今起きているのはパラダイムシフトであり、穀物だけでなくて他の食糧、原油、鉄鉱石、非鉄金属などあらゆるコモディティが上がっていくと予想している」

全く驚きの予想である。

見識を疑わざるを得ない。

前回も書いたが、あらゆる商品にはマーケットメカニズムが働くわけで、それが働かない理由など現在のこれらの商品にはない!

147ドルまで上がった原油相場がここ3か月で88ドルまで下がったが、それがまた元の高値に戻すという理由があるのなら、ぜひ聞きたいものだ。

本の表紙帯に大きく書かれているのが
「食糧輸入が途絶えれば7000万人の食べ物がなくなる!?」

一介のジャーナリストならいざ知らず、地位のある方がこのような「売らんかな」発想としか思えない本を出すことに驚きを感じる。


食糧不足になる恐怖は全く感じないが、誤った情報ばかりが氾濫することに恐怖を覚える。
















posted by うな太郎 at 10:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月07日

食糧危機情報の現実1



世の中に出回っている危険、危機情報の9割はニセ物や誇張だと思って良い。

実は「危険ではない」とは言いにくい。
100%安全という証明などできないからだ。

そして言ったとしても何もメリットがない。
「危険でない」という情報に価値が認められず、興味も持たれない。
しかも受け手からすると、「何も深く考えていないのでは?」と受け取られてしまう。


それに対して、「危険である」は言いやすい。
危険である可能性が0でない限り、どんなに確率が低くても「可能性がある」の一言を入れれば、反論が難しい。

そして「危険である」という情報はそれだけで価値が認められ、注目を浴びる。
受け手からは、「警告してくれてありがたい」という気持ちになる。

しかも「危険でない」と言っている者より深く分析していると思われる。
関連商品を販売している会社や団体からは、重宝がられお呼びがかかる。

このように危険情報を流すのは”言いことずくめ”といっていい。

これが間違いだらけの「危険情報」が氾濫する理由だ。


今回は食糧危機。

特に今年に入ってからは、原油や食糧の高騰を契機に食糧危機が叫ばれている。

しかし、皆さんは以下のことをご存じだろうか。

原油は今年7月11日に1バレル147.27ドル(WTI)の最高値をつけたものが、9月には100ドルを割り込み、10月6日は87.56

小麦は今年6月26日に952.75ドル(シカゴ)だったものが、10月6日には588.00

大豆は今年7月3日に1663.00ドル(シカゴ)だったものが10月6日には922.00

トウモロコシは今年6月27日に765ドル(シカゴ)だったものが10月6日には424.00

つまり原油も穀物もたったここ3か月の間に約40%値を下げたことになる。

値段が高騰するときは連日ニュースで取り上げられ、危機が叫ばれていたにも関わらず、値段が下落して危機が遠のいたときは何も報道されない。

報道されているのは株の下落危機ばかり。

これが報道の実態だ。

もともと、原油資源はまだ豊富にあり、供給に問題はない。
産油国の意図的生産調整や投資資金流入で高騰したもの。

あらゆる商品価格はマーケットメカニズムが働き、高騰と下落を繰り返すもので、今回の高騰にはそのセオリーを覆すだけの理由はもともとなかった。

原油価格が高くなれば、代替え資源が利用されたり、景気が悪くなるなどで、原油の消費が落ち込み供給過剰になる。

穀物価格が上がれば、今まで採算の合わなかった土地や未開地まで農地を広げることとなり供給が増える。


地球上に巨大隕石でも落ちてこない限り、価格が一本調子で上がり続けるなどということはない。


しかし、そのような現状でもなお、食糧危機を唱え、日本の食糧自給率を上げるべきということを主張している人たちも少なくない。

その話は次回に。


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2008年10月01日

食品安全委員会のリスク評価



食品安全委員会というのは、内閣府のもとにおかれている食品のリスク評価を行うための機関です。


各省庁からは独立していることから、客観的、公平に行うこととされ、現在日本で食品のリスクを調べるうえで、最も信頼がおけると判断できます。

その食品安全委員会が、最近の食品事件に関し、非常に明確なリスク評価を行っています。

まず、中国で乳児死亡者を出し、日本でも丸大食品の菓子から検出されたメラミン。
食品安全委員会のメラミンのリスク評価

内容は簡単に言うと、最もメラミンが多く検出された
「クリームパンダ」でも体重50kgの成人がそれを毎日17個、一生涯食べても、健康被害が起こらない量だったということ。


次に三笠フーズなどによる事故米のリスク評価。
この事件では、主に農薬のメタミドホスと、カビ毒が問題になっているが、まずメタミドホス。
事故米におけるメタミドホスのリスク評価

要約すると、今までに検出されたメタミドホスの数値から計算すると、一度に(24時間以内)に食べて害が起こる量は、体重50kgの人で2.5kg。(お米17合分)
そして、一生涯毎日食べても害がない値は、体重50kgの人で1日500g。500gは平均的な日本人の消費量の3倍なうえ、事故米だけを食べ続けることは考えられないので、心配はいらない。


ここまでは、非常にわかりやすく明快なレポートで素晴らしいと思います。

しかし、僕にとって、いや日本国民にとって最も興味をもたなくてはならない、カビ毒に関しては急にトーンダウンします。というかリスク評価自体行っていません。
カビ毒、アフラトキシンの概要

実は、アフラトキシンは、食品から検出されてはならない物質とされているため、基準値はありませんでした。
今回の事件を受けて、ようやくどの程度の量を摂取すると健康被害が起こるかを検証することになったといいます。

このことは非常に示唆に富んでいます。

第一に、危険と思われている「化学物質」「農薬」「抗生物質」などはリスク評価がきっちり行われているのに対して、カビ毒のような「自然物」はリスク自体が調べられていない。
しかも化学物質は自然に増えないが、自然物は自然に増殖する。
だから、自然物の毒性にこそ注意を払うべきである。

第二に、日本にとってメラミン問題より事故米問題のほうがはるかに深刻であること。

なぜなら、現状ではメラミンの健康被害が起こる可能性がほとんどなくなったのに対し、まだ消費されていないカビの生えた事故米が通常の食品として存在している可能性が高いからだ。

ここ数日はメラミンの報道のほうが中心になっている。
中国国内はもちろん、ご丁寧にインドネシアや韓国での状況まで詳しく伝えている。

しかし、私たちは中国を批判するのに陶酔している場合ではない。

事故米問題は、食中毒が身近に迫っている可能性がある。
さらには、日本人として特別の郷愁や思い入れがある主食のお米に対してなぜこのような大規模な詐欺事件が長年にわたり放置されていたのか、という問題を明らかにして、解決していかなくてはならない。









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2008年09月27日

朝日新聞のメラミン記事



本日(9月27日)の朝日新聞朝刊の記事には、うれしい驚きがありました。

丸大食品の回収された菓子の中から、メラミンが検出された記事。

一面トップで、「回収食品からメラミン」と大見出しで出た後、
本文の最初の文章が以下。
「検出濃度は0.8〜37PPMと微量で、健康への影響は考えにくいという」

今までこのような冷静な文章は、書かれてあったとしても、長文の一番最後に来る程度でした。

危険を煽るばかりの報道ばかりの中、今回の報道姿勢は画期的
と言っていいと思います。

さらに、38面の詳細な記事の中では、以下の文章。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜抜粋します。

欧州食品安全機関の暫定基準値によると、体重50キロの人は1日に
メラミン25ミリグラムを、体重5キロの子供なら2.5ミリグラムを摂取したとしても健康に影響は出ないという。
今回の検出濃度をもとに計算すると、市販の菓子「クリームパンダ」1個には、最大で1.5ミリグラムのメラミンが入っていたことになる。
体重50キロの人なら1日に約17個、体重20キロの子供なら、約7個食べても、問題のない計算になる。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここまで

さらに学者の冷静な対応を呼びかける内容が続いた。

まさしく、僕が前回の記事で指摘した、
科学的な計算によるリスク評価
を完璧にしてくれました。


僕が拙著「食品の迷信」の中で訴え、その後も再三にわたって苦言を呈してきた一方的報道姿勢が、大きく変わった瞬間に出くわしたような、そんな気がします。


今後は消費者自身が賢くなって、大袈裟に感情的に危険を煽る記事や本は売れなくなり、
冷静な科学的根拠に基づいた現実的な記事や本が売れるようになって欲しい
と思います。













posted by うな太郎 at 14:37| 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月23日

三笠フーズの事故米・続編



事故米(汚染米)の転売問題は底なしの広がりを見せています。

結果的に事故米を食用として扱っていた業者は約400社(現在まで)。

全国の病院、養護施設、学校給食、コンビニ
などにも使用されていたことが判明。
給食への混入は22都府県。

三笠フーズは架空会社を介して米を買い戻し、「食用」とし、価格を10倍以上につり上げ販売していた。

政府から買い上げている事故米取扱い業者の大手4社すべてが、食用への偽装を行っていたことも判明。

しかも偽装は、流通の各段階でも行われ、中にはキロ9円程度だったものが最終的にキロ340円になったものもあった。

農水省は過去5年間で96回の立ち入り検査をし、昨年1月に文書で内部告発があったにも関わらず、今の今まで見抜けなかった。

農水省は
「性善説に立ちすぎた」
とか
「不正をやっていないことが前提の検査だった」

と釈明しているが、これはとんでもない話。

そもそも検査は、不正が行われている可能性があるから行われているのであって、常に疑いを持ちながらやるべきもの。

そうでなければ、行う意味がない。
性善説に立ってるのなら、検査を行う必要はないし、むしろ行うこと自体税金のムダになる。

三笠フーズの財務担当者からは、
「農水省は当社の販売先に行って調べればすぐに見破れたこと」と
おちょくられる始末。


一部に三笠フーズが悪質かつ巧妙に偽装工作をしたから、見破るのは難しいとの意見もあるが、この財務担当者の言葉がすべてを物語る。

三笠フーズは事故米を事故米倉庫ではなく、加工用米倉庫に入れていたが、それを立ち入り検査の時に隠すために、事故米を倉庫の壁際に置いて、その前に加工米を高さ5メートルまで積み上げて、事故米を見えなくしたとのこと。

結果として、検査の時に、加工米倉庫内を見ることは1回もなかったというのだから、「巧妙」である以前に「形式だけの検査」であったことが明白

幸い、健康被害の報告はない。

確かに、メタミドホスなどの農薬の数値は基準値を超えていると言っても微量なので、人体に影響はないのはある意味当然。

しかし、カビに関しては天然物なので、保管中にどれだけ増殖しているかはわからず、人体への影響ははかりかねるので、不安がつきまとう。

今回の一連の報道の中で、最も呆れてしまうのが、政府もメディアも人体に対する影響予想を全くと言っていいほど言及しないこと。


事故米問題の一つの大きな課題は「食の安全」
つまり人体への悪影響がどれぐらいか。

政府、メディアとも過去の事故米がどのような理由で食用禁止となり、それが食用に転用されたときに健康への影響がどれほどあるのかの予測をするべきだ。

それは米がそのまま食べられる場合と、お菓子になる場合、お酒になる場合では違う可能性も大きい。

何も言及がないから、すべてが危険と判断され、不安が増幅し、健康被害の心配が全くないものまでが全面回収される結果を招く。


メラミンの問題でも同じことが言える。

日本で販売されたお菓子の中にメラミンが混入している”疑い”があるということで、全面回収になっている。

しかし「メラミンは大量摂取すると腎臓結石になる」と言われただけで恐怖を抱き、どんな微量でも口にしてはいけないと思う人はどうかしている。


なぜなら、水だって、大量摂取すれば脳症にかかって死亡する。
つまり世の中のどんな物質だって、大量に摂取すれば人体に大きな害を及ぼす。

だから、「大量に摂取すれば○○になる」という文言に何の意味もない。


問題にしなくてはならないのはその量。

確かに中国で、ミルクを「主食」にしている赤ちゃんは数名死亡しているが、お菓子とは状況が大きく異なる。


メラミンは欧米での研究で、
1日の摂取量が体重1kg当たり、0.5-0.63ミリグラムまでなら健康に影響ない
との結果があるとのこと。
体重50kgの人なら、1日25ミリグラムまで大丈夫ということ。
体重10kgの子供でも1日5ミリグラム

”仮に”お菓子の中にメラミンが入っているとしても、それほどの量がお菓子に入っているとは考えられないだろう。

どれだけそのお菓子を食べたら害になるのかという問題になる。

このような分析は、政府やメディアが行って発表するべきこと。

世の中に100%安全な食品なんてない。
だから、リスクの高低を考慮しないと、無意味な恐怖を覚え、食品、資源の膨大なムダを招く。





posted by うな太郎 at 09:28| Comment(1) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月15日

三笠フーズによる事故米の転売




「三笠フーズ」による事故米転売事件
は、長年食品業界の不祥事を見てきた僕にとっても、想定外のことでした。

そもそも、
なぜ農薬の基準値がオーバーしたものやカビがはえた商品が流通するのか

基本的に輸入時にこのような事故品は、輸出国に積み戻すか、焼却処分にされます。
つまり流通禁止。

食用以外の目的ならということで流通させたのだが、それであるなら、厳重に管理されなくてはならないのは子供でもわかること。

さらに農水省に対して疑問なのが、事故米となったがために、
価値が10分の1ぐらいになったことによる損はどこで補てんされているのかということ。

通常であれば、積み戻し(返品)によってクレイム処理するもの。

今回の場合、買付価格より大幅に安く販売することになったのだから、輸出企業に金銭的補てんをさせなくてはならないが、それをやっているとは考え難い。
「国民の税金」による補てんがなされてるとすれば、常識ではあり得ない許されないこと。


いずれにしても、事故米の流通を取り締まれるのは農水省しかなく、それが5年間にわたる96回もの立ち入り検査で見抜けなかったというのは、農水省に重大な責任がある。

立ち入り検査はあらかじめ期日を指定し、相手から提出された資料に目を通すという形式だけのもの。


昔からそうであったことは業界の誰もが知っているが、昨年来の偽装問題が頻発している中にあってもなお、それが維持されていたというのは、まさに
役人の税金ドロボーぶり
を物語っている。

どんなにニセ資料を提出されても、販売先をしっかり追跡すれば簡単に判明することである。

それにしても5年間に96回ということは1年に19回行われていたことになり、異常に多い。
農水省の役人が三笠フーズから飲食接待を受けていたのも明らかになった。
検査と称して、何をしに行っていたのか。


食用に適さない事故米は、焼酎、菓子メーカーだけでなく、病院、養護施設、保育園などの給食としても使用されていました。

三笠フーズの冬木社長は、
10年前ごろから別会社を買い取ってから始めた」と語り、事故米を扱うようになった経緯は「前所長から、”10数年やって方法を熟知している”と言われ、儲かるならと思って始めた」という趣旨を語った。

事故米の相場は1キロ5〜6円。三笠フーズは「あるだけ買いたい」とし、相場を大きく上回る¥9〜14で買っていた。
輸送費が1キロ¥30だから、米代はタダ同然。

この食用への転用は、三笠フーズだけではなく、それを含む大手3社すべてが行っていたことも判明。

ありていに言うと、
業界ぐるみでどの会社もやっていた
ということ。
製紙業界のエコ偽装みたいなもの。

伝統的に、まじめにやっては生きられない業界であり、まじめな新規参入もはばまれる世界であったということ。


それにしても僕が不思議に思うのが、日本でこのような事件が次々と明るみになっていながら、なお日本人を倫理的であると思い込んでいる人が多いということ。
それは多くの商品の国産信仰に如実に表れている。

他国の不祥事はいつまでも覚えているが、日本人の不祥事はすぐに忘れるらしい。

他国への批判は”目くそ鼻くそ”のレベルのものがあまりに多い。


自国のことをひいき目に見る気持ちもわからないでもないが、あまりに度が過ぎると、足元の大きな不正やリスクを見逃す。

まずは、日本人、日本社会そのものを見直し、徹底した取り締まりと不正への厳罰化を行わない限り、国民に負担とリスクを負わせ、
”濡れ手に粟”のボロ儲けで高笑いしている業者を存続、後押しする結果となる。

















posted by うな太郎 at 10:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月29日

ウナギ産地偽装・今度は愛媛



また、ウナギの産地偽装が発覚しました。

概要は、愛媛の「サンライズフーズ」が産地不明の蒲焼に「愛媛県産」と表示して販売したこと。

さらに、「国産」と表示した蒲焼も農水省は、中国産蒲焼を社内で詰め替えた可能性が高いと見て調べているとのこと。

「サンライズフーズ」の蒲焼の多くは、築地市場最大手の「中央魚類」に出荷され、スーパーなどで販売されていました。

読売新聞によると、
「サンライズフーズ」から仕入れた蒲焼の量は、「中央魚類」が扱う蒲焼の7割を占め、昨年度の築地市場で扱われた全蒲焼(3320トン)の約2割(約645トン)に相当する量だったとのこと。

以下、読売新聞よりそのまま引用

サンライズ社の工場に勤める従業員は読売新聞の取材に、「生きたウナギはほとんど見ない。蒲焼が乗ったトレイの包装をはがし、別のトレイに乗せてラッピングし直している」と証言。取引業者も「サンライズ社の工場でみるのは”中国産”と書かれた段ボール箱ばかり」と話す。

====引用終わり

僕から言わせると、「ようやく本丸にたどりついたか」といったところ。

もうすでに5〜6年ほど前から、怪しいということは業界の常識でした。


なぜなら、常にありえないような安い値段で製品が出続けていたから。
さらに、出荷量に見合うほどの大量の活鰻が購入されている形跡がないこと、実際に活鰻をさばいて生産している形跡にとぼしいことなど、あらゆる条件が偽装を裏付けていました。

ちなみに、5〜6年前には福建省のうなぎ工場の蒲焼製品が数百トン単位で、松山揚げされていました。
通常は関西の場合、消費地である大阪に荷揚げされるものなので、これは極めてイレギュラー。
その荷物がどこに行ったかも調べる必要があります。

その中国の工場の社長は”特需”にのっかりご満悦でした!


「サンライズフーズ」には4年ほど前には行政検査が入ったのですが、その時は何も出ずじまい。
このとき、行政の業者との癒着や「ナーナー検査」を疑ったものです。

そのような経緯を考えると、よくこれだけ長年、放置されていたものだと思います。
もう昔の証拠などは残っていないでしょう。


そして主要取扱い業者の中央魚類。
築地最大手で東証2部上場企業。

業界の誰が見ても、誰が判断しても、偽装の疑いが濃厚だった製品
を販売し続け、大量に扱い、多額の利益を上げていた。(に違いありません)

それを「知らなかった」「だまされた」で通すのは無理があります。

もしかすると、「知っていた」とする物的証拠は出ないかもしれませんが、それで逃げおおせてヤリドクを許すようであれば、永遠に食品偽装に歯止めなどかけられないでしょう。

昨年から食品偽装が社会問題化し、ウナギの偽装も次々と摘発を受ける中、今の今まで公然と販売していた中央魚類の罪は非常に重く、サンライズフースに匹敵します。

さらに、明らかに安い、怪しい”国産”を仕入販売していたスーパーも大問題
表面とは裏腹に、儲かるものなら何でもやる、責任さえ回避できればOKといった体質を表しています。
ここ数年「安い国産ない?」が合言葉のようでした。

特に国産のメインをこの製品でまわしていたスーパーは大きな責任を免れません。


そして消費者。
中国産を避け、「国産」の中から最も安いものを選んで買った人も多いことでしょう。
この手のものがよく売れるんです!
国産の中では安いといっても中国産の2倍ぐらいはしていました。

それがかなりの高い確率で、原料が中国産、もしくは中国産蒲焼の詰め替えであることがはっきりしてきました。

怒るべきことなのは当然です。

”安いだけの中国産”に「騙されまい」と気を配って買った結果、高い値段を払って中国産を食べていたことになるわけですから。


ウナギの産地偽装は非常に裾野が広いため、なかなかこれで終わり、ということにはなりません。
「魚秀」の問題も未だに関係会社(被害者を含め)を事細かに捜査中。


「迅速に」そして「モレなく」調べ、腐りきった業界のウミを早く出してもらいたいものです。



posted by うな太郎 at 21:49| Comment(1) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月18日

イオンが漁協と直接取引



スーパーのイオンが島根県の「漁業協同組合JFしまね」と直接取引を開始しました。

16日にイオン専用の定置網で水揚げされた約2.7トンが販売され、17日に大阪、京都、愛知などの約60店舗で販売されたという。

メディアはあたかもいいことずくめのような論調で取り扱っているが、これは大きな誤解です。

そもそも、生産者から末端の販売者(スーパー)の直接取り引きに大きなメリットがあるなら、とうの昔にやっています。

今まであまりやっていなかったのは、デメリットのほうが大きかったから。

最も大きな問題は、
生産者の売りたい条件とスーパーの買いたい条件が見合わないこと。

スーパーは、大きさなどの規格があうものには相応の値段を払うが、そうでないものは二束三文の値段しか払わない。

今回、その問題が解決されているとは思えない。



そして大きな誤解は、多くの人が中間マージンが発生するのはムダだと思っていること。

生産者とスーパーの間に入っている中間業者はいわば交通整理の役目を担っている。
つまり、ある業者には価値が低くても、ある業者は高くても買いたいという場合があるわけで、多くの品種、多くのサイズを、最適なお客さんに販売する業務を行っている。
その中には配送業務も含まれる。

さらに重要な役割は、品質、価格、マーケット、販売アイデアなどの情報

それぞれの商品の専門知識の中には、生産者が知らないこともあれば、知っていてもきめ細かな情報提供までできない場合がほとんどだ。

つまり、中間業者というのは、そういった一定の「役割」を担っているから、その報酬としてマージンが発生している

逆に言うと、「役割」を果たさない中間業者は「不要」ということで淘汰される。


日本の水産業界は外国とは大きく異なっています。

全国各地から多種多様の水産物の供給があり、それを全国各地の多様な消費形態の中で販売されていく。

末端業者すべてが生産者と直取引などできるはずがない。

両者ともノーサンキューだ。

それに対応するために、全国に魚市場が設けられ、それでも対応できない部分を問屋が行っている。


もちろん、流通の中で、魚市場や問屋を介さないものが増えてきているのは事実だが、中間マージンが発生するのが悪のように語られるのは現実を知らなすぎる。


そしてもう一つの誤解は、
「中間業者を廃せば、生産者の受取が多くなる」
ということ。

これがウソである理由は二つある。

1)交通整理をしている中間業者を廃したら販売する客は最適な客ではなくなる・・・・客は「欲しいもの」以外は二束三文か、ただでしか引き取らない。

2)客はますます立場が強くなり、生産者はますます立場が弱くなる

特に2)は重要だ。
スーパーはぎりぎりまで利益を上げようとする。
私企業として当然のことだ。
中間業者がいない分の「5〜10%の半分は生産者に払おう」などとはしない。
すべて取りに行く。

いや、それ以上ということも十分あり得る。


「生産者のため」と本当にボランティア的なことをしたら、株主が黙っていないし、一歩間違えば「背任」という犯罪行為になる。

だいたい、値段はすべて毎回決めるものなので、中間マージンの節約分がいくらかなど計るすべもない。

ちなみに大手スーパーの想定原価率は通常55%、粗利益率45%だ。
つまりスーパーの売値が100円ならば、仕入は55円以下が基本で、ほとんどの場合、売値から仕入れられる価格を割り出してくる。


話を元に戻します。

今回のイオンの取引が始まった背景には、ますます流通の寡占化が進んでいることがあげられます。

流通の中で、もはやスーパーは絶対的な力を持ち、特にイオンの存在は絶大。

その中で、価格決定はイオン主導になることは間違いのないこと。

「売れにくい魚」に対して、どのような評価、どのような値段を付けてくるかによって、この取引の成否が左右されることでしょうが、少なくとも生産者が期待するような取引になるとは思えません。

品質や表示に対する生産者への要求も、より厳格になることでしょう。


一方イオンにとっては、
「漁業者の苦境」「資源の無駄使い」などが多く取り上げられる中、今回の取引の宣伝効果が高く、イメージアップにつながり、良い結果を生んでいると思います。


また、消費者にとって唯一良いことは、普段見掛けない魚種が店頭に並ぶこと。
「知ってる魚」「見たことがある魚」しか食べなくなった日本人にとって、知らない魚でもおいしいものがたくさんあることを知ることになり食育にも良いことでしょう。

より鮮度が良いとか、ムダがなくなる、ということはあまり関係ないでしょう。


ただ繰り返しになりますが、憂慮すべきは、ますます進む流通の寡占化、そして、そのような食の現実を伝えないメディアです。


posted by うな太郎 at 11:02| Comment(1) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月12日

「消費者がやかましい」



太田誠一農林水産大臣が、NHK番組で、食の安全に関し、
「日本国内では心配しなくていいと思っているが、
消費者がやかましい
から徹底してやっていく」と発言して、批判を浴びた。

「やかましい」という言葉は、相手を批判的に捉えているからでてくるわけで、「理不尽」というニュアンスが含まれる。

消費者全般の考え方を批判するのであれば、組織の長として、しっかりとした説明責任があるわけで、それもなしにただ
”うるさいから言われた通りにする”というような発言になるのは、現在の
「名前だけ大臣」
を象徴するような発言だ。

太田大臣の弁明としては
「日本は消費者が正当な権利を主張できる民主主義の国、という趣旨だった」としているが、

「やかましい」と「正当な権利を主張」では全く逆
の意味だから、
全く弁明になっていない。

多分、普段から思っていることがつい口をついて出てしまったのだろう。
批判されても仕方ないだろう。


ただし、一方で、
「消費者がやかましい」というのは、食品を扱っているほとんどの業者が思っていることも事実。


日本の消費者は世界一わがまま。

形、色、にこだわり、味はもちろん、産地、ブランドに目を光らせる。
十分に食べれる物でも、賞味期限が切れたり迫ったりしたものは食べない。
無農薬、無添加を望み、遺伝子組換えは無条件でノー!中国産は絶対反対、輸入品もイヤ。
食に関わるありとあらゆる条件を要求しておりて、相応のお金も出さない。

日本は物質的に満たされすぎているがために、それがどれだけ恵まれていて素晴らしいことかが、見えなくなっている。


食の安全に関しても全く同じことがいえる。

日本ほど、そして今の時代ほど安全な食費に満ち溢れていることは、どの世界にもどの時代にもない。


そんな環境にいながら、食に怯え、食に不満を持つ。
まさに、不満と不幸の際限のない連鎖だ。

100%の安全など、求めようがない不可能なことなのに、「100%でないといけない」と思っている。


日本の消費者がこうなった一つの原因が、サービス提供者が消費者を神様扱いしたことにある。

だから、消費者に対して、どんな理不尽なことにも反論が許されない社会になってしまった。

「和民」の社長はこう断言しました。
「お客様と店員で注文に食い違いが出た時、常にお客様が100%正しい。仮に録音を取っていて、店員の言うとおりだったとしても。」

消費者がいくらモンスター化しても、利益がでているうちは良い。
それによって「食べさせてもらっている」と考えることができる。

しかし、実はもう限界まで来ている。


「食べさせてもらえる」なら神様扱いでも良いが、損するならその限りではない。

また、現在の水準より要求を高めると、意味のないことにコストを費やし、値段に跳ね返る。
或いは、行政コストとなって税金が無駄に使われる。
要求する消費者にとっても、社会全体にとってもマイナスになる。

消費者が知らなくてはならないのは、このような食品の現実だ。


それを説明しなくてはならないのが、政治家、役人、食品の専門家、そしてメディアだ。

ただ、太田大臣に象徴されるように、心の中では文句を言いたくても、誰も消費者にとって耳の痛いことを言いたがらない。

誰もが条件反射的に消費者の味方を気取る。


消費者のわがままが通り、規制が増え、食品業者の首を絞めるような行政を行って喜ぶのは利権が増える役人だけ。

消費者の目先の微々たる快楽のために社会は疲弊する。

日中間の最重要課題を「ギョーザ事件解決」などとすれば、中国は喜ぶだけ。
パンダの貸与と同じく、中国にとってどうでも良い問題に日本国民の関心が向かう裏で、経済面や領土、人権問題など重大な国益を得ればよいのだから。


情報の発信者は「そんなことでいいんですか?」と言わなくてはいけない。


もちろん僕はやります。






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2008年07月30日

WTO交渉の決裂



WTO(世界貿易機関)多角的貿易交渉(ドーハラウンド)が決裂しました。


農産物の輸入が急増したとき、途上国に限り認める「特別緊急輸入制限(セーフガード)」の発動条件を巡って、インド、中国側とアメリカが対立したことが原因です。

直前まで合意の機運が高まっていたので、失望した国も少なくなかったと思います。

この会合で、日本にとって大きな問題は、特別に高い関税をかけられる「重要品目」の割合でした。

日本は当初10%が目標でしたが、交渉の過程で8%に引き下げました。しかし、日本以外の各国は最大でも6%という案を譲らず、その数値で妥結しかかっていました。

しかし、WTO交渉は包括的に全会一致が原則なので、インド、中国対アメリカの対立によって、すべてが水の泡になったということ。

今回、はっきりしたことは、世界で日本が最も農産物で保護貿易的であったこと。


最後まで8%を主張したのが日本だけで、他国の賛同はありませんでした。
それどころか、ほとんどの国が4%を主張している中、議長裁定により日本の主張を取り入れた譲歩案になったということ。

この点、農業の専門家と称する人の一部が、
「日本は保護貿易的でない。関税の平均は低いぐらい。」
などといっていることがいかに矛盾なのかがわかるというもの。

禁止的に高い関税だったら、そもそも輸入されないので、それが貿易に反映されない
だけ。

今回の決裂は、日本の政治家、役人にとっては良かったかもしれない。農家もほっと胸をなでおろしているだろう。

しかし、関税を下げることによって、今まで関税収入が0だったものが、関税収入を得ることができ、かつ安い農産物の流通により、消費が喚起される。
特に急増している、低所得者層が助かる。


それにより農家が打撃を受ける分を保障するのであれば、直接の所得保障をするべきと思う。

今までの農業補助金は、役人の巨大な利権となり、公共投資にばかり使われていた問題がある。

現在、1332品目中、125品目(9.4%)で100%以上の関税をかけている。
コンニャク1705%、米778%、砂糖325%
などなど。


日本はWTO交渉で譲歩を迫られてシブシブ関税引き下げに応じるのではなく、自ら下げる政策をとるべきと思う。


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2008年07月21日

うなぎが教えてくれること



うなぎは「神秘の魚」です。
それでも、近年になって様々な事実が明らかになってきました。

産卵場所はフィリピン沖のマリアナ海溝の深海、水深約200〜300m
(細かい場所は特定できず)
そこで生まれた稚魚は変体を繰り返しながら、海流にのって数か月かけて日本沿岸にたどりつきます。
川の河口の汽水でしばらく体を慣らした後、「闇の大潮」の日に一斉に川を上ります。

ウナギが昔は山奥の湖にも住んでいたのは、どんな急斜面でも上っていったから。
たった5CMほどの稚魚でもそれだけのエネルギーがあるのです。


湖や川で数年過ごした後、産卵のために川を下り、再びはるばる2千キロの旅へと出ます。

そして光の届かない深海で産卵して一生を終えます。
ただ未だ誰もうなぎが産卵をする様子を見た人はいません。


一生の間にとてつもない旅をするウナギのどこにそのようなパワーが隠されているのでしょうか。

ウナギは古来から神の使者として祭っている神社が全国にあります。
最も有名なのが京都の三嶋神社。
毎年、鰻供養も行われます。


当ブログは7月15日で1周年を迎えました。

当時は、アメリカでの中国産ペットフードや段ボール肉マンなどの問題で、猛烈な中国パッシングが吹き荒れていました。

僕は「中国産うなぎは大変安全です」などと書いた文章をマスコミ関係会社にファックスで流したものです。
どこからも相手にされませんでしたが。。。

それが今では当ブログを元に本を出版したうえ、マスコミなど各社から呼ばれるようにまでなりました。
僕の主張も少しずつ取り上げてもらえるようになってきました。

ウナギに携わって10年余り。

ウナギが教えてくれたこと。


人間のエゴや弱さでしょうか。
自然の営みの神秘や畏敬の念など。

資源問題、養殖の功罪、食文化の有り方・・・。


至極現実的な意味でいえば、日本人に貴重な食文化と高栄養価を与えてくれました。

僕もウナギに大感謝!!!


「うなぎを見れば日本が見える」は当初からの題名。
「神の使者」は人間社会を映す鏡のようでもあり、今後もそうあり続けることでしょう。


7月24日は土用の丑の日!!!


\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/
エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!
♪\(*^▽^*)ノ\(*^▽^*)ノ\(*^▽^*)ノ\(*^▽^*)ノ\(*^▽^*)ノ♪
ヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆♪ ウナギ祭り開催中! ♪☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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2008年07月14日

土用の丑の日を迎えるにあたって



今年の夏の土用の丑の日は7月24日(木)と8月5日(火)です。

今年のように土用の丑の日が2日あることが時々あるのですが、
なんといってもメインとなるのは、
第一土用の7月24日


土用の丑の日というのは、実は年に4回あって、季節の変わり目に当たり、精をつけるべき日とされています。

特に夏の土用は、江戸時代から伝統的に、夏バテ防止のためにウナギを食べる日とされています。
その由来は、
平賀源内が販売不振のウナギ屋に対して考案したキャッチコピー
との説があります。
平賀源内は、「エレキテル」(静電気発生装置)で有名ですが、「天才」と言われ、蘭学者、医者、作家、発明家、画家だったとのこと。


最近では、夏だけではなく、冬の土用丑に「寒の土用」として、春には「春土用」などとして、ウナギを食べる日が増えてきています。。
まだ、あまり広く知られていませんが。(^_^;)


ウナギは栄養学的にも、
ビタミンAやEが豊富
に含まれているという裏付けがあります。
もちろん、
DHAやEPAも豊富



みなさん、ウナギを食べましょう!!!(V)o¥o(V)



ウナギの蒲焼きは、スーパーなどで売られているものも、上手に焼き直しすれば、非常においしく食べられます。

ただ、レンジでチンをするだけだったら、蒲焼き専門店のさばきたて、焼きたてのほうが断然おいしいです。

関東なら、フワフワの柔らかさ、関西なら、表面のパリパリ感が、専門店ならではのところを見せてくれるでしょう。


今年は、稚魚のシラスの不漁のため、専門店の値段は高めですが、貴重な食文化を守る意味でも、記録的暑さになるやもしれない夏を乗り切るためにも、縁起のためにも食べましょうぞ!


最近は、産地偽装、マラカイトグリーンなどで世間を賑わし、毎度の如く販売に水を差された格好になっています。
でも
ウナギに罪はありません!


また、ウナギが危険だなどという人を信じてはいけません。
現在ウナギは極めて安全な食品で、中国産も国産も何も警戒する必要なし。

キノコやフグ、或いは魚介類の生食、肉類の加熱の程度などのほうをはるかに気をつけるべき。


神秘の魚、ウナギのウンチクは、食育にも打って付け!!!


つくづく、ウナギはいいことづくめでんな〜〜〜(=^・^=)
posted by うな太郎 at 20:57| Comment(7) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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