2008年08月12日

「消費者がやかましい」



太田誠一農林水産大臣が、NHK番組で、食の安全に関し、
「日本国内では心配しなくていいと思っているが、
消費者がやかましい
から徹底してやっていく」と発言して、批判を浴びた。

「やかましい」という言葉は、相手を批判的に捉えているからでてくるわけで、「理不尽」というニュアンスが含まれる。

消費者全般の考え方を批判するのであれば、組織の長として、しっかりとした説明責任があるわけで、それもなしにただ
”うるさいから言われた通りにする”というような発言になるのは、現在の
「名前だけ大臣」
を象徴するような発言だ。

太田大臣の弁明としては
「日本は消費者が正当な権利を主張できる民主主義の国、という趣旨だった」としているが、

「やかましい」と「正当な権利を主張」では全く逆
の意味だから、
全く弁明になっていない。

多分、普段から思っていることがつい口をついて出てしまったのだろう。
批判されても仕方ないだろう。


ただし、一方で、
「消費者がやかましい」というのは、食品を扱っているほとんどの業者が思っていることも事実。


日本の消費者は世界一わがまま。

形、色、にこだわり、味はもちろん、産地、ブランドに目を光らせる。
十分に食べれる物でも、賞味期限が切れたり迫ったりしたものは食べない。
無農薬、無添加を望み、遺伝子組換えは無条件でノー!中国産は絶対反対、輸入品もイヤ。
食に関わるありとあらゆる条件を要求しておりて、相応のお金も出さない。

日本は物質的に満たされすぎているがために、それがどれだけ恵まれていて素晴らしいことかが、見えなくなっている。


食の安全に関しても全く同じことがいえる。

日本ほど、そして今の時代ほど安全な食費に満ち溢れていることは、どの世界にもどの時代にもない。


そんな環境にいながら、食に怯え、食に不満を持つ。
まさに、不満と不幸の際限のない連鎖だ。

100%の安全など、求めようがない不可能なことなのに、「100%でないといけない」と思っている。


日本の消費者がこうなった一つの原因が、サービス提供者が消費者を神様扱いしたことにある。

だから、消費者に対して、どんな理不尽なことにも反論が許されない社会になってしまった。

「和民」の社長はこう断言しました。
「お客様と店員で注文に食い違いが出た時、常にお客様が100%正しい。仮に録音を取っていて、店員の言うとおりだったとしても。」

消費者がいくらモンスター化しても、利益がでているうちは良い。
それによって「食べさせてもらっている」と考えることができる。

しかし、実はもう限界まで来ている。


「食べさせてもらえる」なら神様扱いでも良いが、損するならその限りではない。

また、現在の水準より要求を高めると、意味のないことにコストを費やし、値段に跳ね返る。
或いは、行政コストとなって税金が無駄に使われる。
要求する消費者にとっても、社会全体にとってもマイナスになる。

消費者が知らなくてはならないのは、このような食品の現実だ。


それを説明しなくてはならないのが、政治家、役人、食品の専門家、そしてメディアだ。

ただ、太田大臣に象徴されるように、心の中では文句を言いたくても、誰も消費者にとって耳の痛いことを言いたがらない。

誰もが条件反射的に消費者の味方を気取る。


消費者のわがままが通り、規制が増え、食品業者の首を絞めるような行政を行って喜ぶのは利権が増える役人だけ。

消費者の目先の微々たる快楽のために社会は疲弊する。

日中間の最重要課題を「ギョーザ事件解決」などとすれば、中国は喜ぶだけ。
パンダの貸与と同じく、中国にとってどうでも良い問題に日本国民の関心が向かう裏で、経済面や領土、人権問題など重大な国益を得ればよいのだから。


情報の発信者は「そんなことでいいんですか?」と言わなくてはいけない。


もちろん僕はやります。






posted by うな太郎 at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月30日

WTO交渉の決裂



WTO(世界貿易機関)多角的貿易交渉(ドーハラウンド)が決裂しました。


農産物の輸入が急増したとき、途上国に限り認める「特別緊急輸入制限(セーフガード)」の発動条件を巡って、インド、中国側とアメリカが対立したことが原因です。

直前まで合意の機運が高まっていたので、失望した国も少なくなかったと思います。

この会合で、日本にとって大きな問題は、特別に高い関税をかけられる「重要品目」の割合でした。

日本は当初10%が目標でしたが、交渉の過程で8%に引き下げました。しかし、日本以外の各国は最大でも6%という案を譲らず、その数値で妥結しかかっていました。

しかし、WTO交渉は包括的に全会一致が原則なので、インド、中国対アメリカの対立によって、すべてが水の泡になったということ。

今回、はっきりしたことは、世界で日本が最も農産物で保護貿易的であったこと。


最後まで8%を主張したのが日本だけで、他国の賛同はありませんでした。
それどころか、ほとんどの国が4%を主張している中、議長裁定により日本の主張を取り入れた譲歩案になったということ。

この点、農業の専門家と称する人の一部が、
「日本は保護貿易的でない。関税の平均は低いぐらい。」
などといっていることがいかに矛盾なのかがわかるというもの。

禁止的に高い関税だったら、そもそも輸入されないので、それが貿易に反映されない
だけ。

今回の決裂は、日本の政治家、役人にとっては良かったかもしれない。農家もほっと胸をなでおろしているだろう。

しかし、関税を下げることによって、今まで関税収入が0だったものが、関税収入を得ることができ、かつ安い農産物の流通により、消費が喚起される。
特に急増している、低所得者層が助かる。


それにより農家が打撃を受ける分を保障するのであれば、直接の所得保障をするべきと思う。

今までの農業補助金は、役人の巨大な利権となり、公共投資にばかり使われていた問題がある。

現在、1332品目中、125品目(9.4%)で100%以上の関税をかけている。
コンニャク1705%、米778%、砂糖325%
などなど。


日本はWTO交渉で譲歩を迫られてシブシブ関税引き下げに応じるのではなく、自ら下げる政策をとるべきと思う。


posted by うな太郎 at 11:19| Comment(4) | TrackBack(2) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月21日

うなぎが教えてくれること



うなぎは「神秘の魚」です。
それでも、近年になって様々な事実が明らかになってきました。

産卵場所はフィリピン沖のマリアナ海溝の深海、水深約200〜300m
(細かい場所は特定できず)
そこで生まれた稚魚は変体を繰り返しながら、海流にのって数か月かけて日本沿岸にたどりつきます。
川の河口の汽水でしばらく体を慣らした後、「闇の大潮」の日に一斉に川を上ります。

ウナギが昔は山奥の湖にも住んでいたのは、どんな急斜面でも上っていったから。
たった5CMほどの稚魚でもそれだけのエネルギーがあるのです。


湖や川で数年過ごした後、産卵のために川を下り、再びはるばる2千キロの旅へと出ます。

そして光の届かない深海で産卵して一生を終えます。
ただ未だ誰もうなぎが産卵をする様子を見た人はいません。


一生の間にとてつもない旅をするウナギのどこにそのようなパワーが隠されているのでしょうか。

ウナギは古来から神の使者として祭っている神社が全国にあります。
最も有名なのが京都の三嶋神社。
毎年、鰻供養も行われます。


当ブログは7月15日で1周年を迎えました。

当時は、アメリカでの中国産ペットフードや段ボール肉マンなどの問題で、猛烈な中国パッシングが吹き荒れていました。

僕は「中国産うなぎは大変安全です」などと書いた文章をマスコミ関係会社にファックスで流したものです。
どこからも相手にされませんでしたが。。。

それが今では当ブログを元に本を出版したうえ、マスコミなど各社から呼ばれるようにまでなりました。
僕の主張も少しずつ取り上げてもらえるようになってきました。

ウナギに携わって10年余り。

ウナギが教えてくれたこと。


人間のエゴや弱さでしょうか。
自然の営みの神秘や畏敬の念など。

資源問題、養殖の功罪、食文化の有り方・・・。


至極現実的な意味でいえば、日本人に貴重な食文化と高栄養価を与えてくれました。

僕もウナギに大感謝!!!


「うなぎを見れば日本が見える」は当初からの題名。
「神の使者」は人間社会を映す鏡のようでもあり、今後もそうあり続けることでしょう。


7月24日は土用の丑の日!!!


\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/\(~o~)/
エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!エッサ!
♪\(*^▽^*)ノ\(*^▽^*)ノ\(*^▽^*)ノ\(*^▽^*)ノ\(*^▽^*)ノ♪
ヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆♪ ウナギ祭り開催中! ♪☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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2008年07月14日

土用の丑の日を迎えるにあたって



今年の夏の土用の丑の日は7月24日(木)と8月5日(火)です。

今年のように土用の丑の日が2日あることが時々あるのですが、
なんといってもメインとなるのは、
第一土用の7月24日


土用の丑の日というのは、実は年に4回あって、季節の変わり目に当たり、精をつけるべき日とされています。

特に夏の土用は、江戸時代から伝統的に、夏バテ防止のためにウナギを食べる日とされています。
その由来は、
平賀源内が販売不振のウナギ屋に対して考案したキャッチコピー
との説があります。
平賀源内は、「エレキテル」(静電気発生装置)で有名ですが、「天才」と言われ、蘭学者、医者、作家、発明家、画家だったとのこと。


最近では、夏だけではなく、冬の土用丑に「寒の土用」として、春には「春土用」などとして、ウナギを食べる日が増えてきています。。
まだ、あまり広く知られていませんが。(^_^;)


ウナギは栄養学的にも、
ビタミンAやEが豊富
に含まれているという裏付けがあります。
もちろん、
DHAやEPAも豊富



みなさん、ウナギを食べましょう!!!(V)o¥o(V)



ウナギの蒲焼きは、スーパーなどで売られているものも、上手に焼き直しすれば、非常においしく食べられます。

ただ、レンジでチンをするだけだったら、蒲焼き専門店のさばきたて、焼きたてのほうが断然おいしいです。

関東なら、フワフワの柔らかさ、関西なら、表面のパリパリ感が、専門店ならではのところを見せてくれるでしょう。


今年は、稚魚のシラスの不漁のため、専門店の値段は高めですが、貴重な食文化を守る意味でも、記録的暑さになるやもしれない夏を乗り切るためにも、縁起のためにも食べましょうぞ!


最近は、産地偽装、マラカイトグリーンなどで世間を賑わし、毎度の如く販売に水を差された格好になっています。
でも
ウナギに罪はありません!


また、ウナギが危険だなどという人を信じてはいけません。
現在ウナギは極めて安全な食品で、中国産も国産も何も警戒する必要なし。

キノコやフグ、或いは魚介類の生食、肉類の加熱の程度などのほうをはるかに気をつけるべき。


神秘の魚、ウナギのウンチクは、食育にも打って付け!!!


つくづく、ウナギはいいことづくめでんな〜〜〜(=^・^=)
posted by うな太郎 at 20:57| Comment(7) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月11日

役人天国



企業の中で働いていると、誰でも多かれ少なかれ、会社が良くなることを願い、会社のためにいいように働こうと思う。

それが成功すれば会社から待遇や昇進という形で返ってくる。

日本で
「仕事だから」
といえば、無理をしてでも他に優先して働くことを意味する。


その中には倫理的、法律的に問題のある場合も少なくないが、
「仕事だから」やらなくてはならないのが普通だ。
いつのまにか、
全体が見えなくなり、一般常識を失う。


そういう意味では役人も同じだ。


自分の所属先が良くなること(拡大)、所属先のためにいいように働く。
認められれば、将来はおいしい思いができる。

国民のために働かなくてはならないという一般常識を失う。



日本は役人天国だ。

世界の中でも公務員の割合が非常に高いうえ、退職後も様々な天下り先が用意されている。
驚くべきムダ遣いの発覚も後を絶たない。
役人が多いと規制も増える。

それにも関わらず、
最近では、役人を増やそうという世論の流れが加速してきている。


「消費者庁」新設にメディアも世論もバンバンザイ。
「格差是正」もただではできない。
「環境対策」、「外資に対する規制」も同じ。
役人の広報活動が功を奏し、食料自給率アップは「国民の総意」のようだが、そのためには農水省の人員と権限の強化が不可欠。
「食品の安全のために検査を強化」
「食品の偽装を取り締まるために人員増」


おまけに、相次ぐ食品偽装の発覚を受け、
「今後食品のトレーサビリティを確立させる」べきなどと言い出した。

表示偽装自体、取り締まれていないのに、よりわかりにくいトレーサビリティを行わせても何も意味はない。

現在のトレーサビリティだって、消費者が「トレーサビリティが行われているから安心」などと勘違いして高くても買うが、その信頼性と品質・安全の程度のどちらも全く担保されていない。


規制や取締を強化することに何も抵抗を感じていない今の風潮は危険だ。


大阪では財政赤字を立て直すために、橋本知事が駆け回っているが、日本全体だって、巨額の財政赤字だ。
本来、待ったなしの構造改革、つまり役人権限の縮小、給与のカットなどがあってしかるべきだ。

しかし現実は逆。

役人が支配し、繁栄する国では民間の活力はなくなるばかりか、逃げていく。
外国企業、外国ファンドも寄り付かない。


既に日本の消費者の立場は非常に強く、「モンスター」が増えているほどなのに、もっと強くなろうとする。
そうすると、企業への圧迫と経済の停滞がグルっとまわってきて自分たちの生活の崩壊を招きかねない。

つまり、我がまま通って生活苦だ。

巨額の財政赤字だろうが、消費者が強くなりすぎようが、企業が圧迫されようが、関係ないのが役人。


肥え太った役人が天国で謳歌しているのに、それを後押し応援してくれる人が増えてきた。


なんとおめでたい国だ。

posted by うな太郎 at 22:13| Comment(16) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月04日

マラカイトグリーンの検出



神港魚類が、自社が販売した「偽装うなぎ」の中から、マラカイトグリーンと、その代謝物であるロイコマラカイトグリーンが検出されたことを発表しました。

ただ検査をするのであれば、256トンを買い付けた時点でするべきことです。
「国産と思っていたから検査をしなかった、中国産の疑いが出たから検査をした」というのは、あまりに不自然。

神港魚類は、「仕入先が悪質だった」ことを印象付けるために、或いは返品を受けさせるために、マラカイトグリーンが検出されるのを望んでいたのではないかと思われるフシがあります。

さて、今回検出されたマラカイトグリーン(0.005ppm)ですが、人体にどの程度の影響があるのでしょう。

マラカイトグリーンは、観賞魚用に使用される抗菌剤で、食用魚への使用が禁じられています。

明確な発がん性は認められていませんが、
発がん性の疑いがある物質
とされています。
ロイコマラカイトグリーンはマラカイトグリーンを使用していた証拠と認められます。


それに関して、詳細な実験データを元に、学術論文的に書かれている記事をご紹介します。
質が高いため、僕もなかなか理解できないのですが(笑)手っとり早く結論を知りたい人は、下の抜粋をご覧になってください。
知的興味のある方はぜひ読んでください!

うねやま研究室●「発がん」物質と「発がん性が疑われる」物質--マラカイトグリーンの例


〜〜〜上記サイトより引用〜〜〜

オーストラリア・ニュージーランド食品基準庁(FSANZ)のQ&Aでは、マラカイトグリーンにヒトでの発がんリスクがあるとは言えないと表現しています。
カナダ食品検査庁CFIAでも、微量のマラカイトグリーンを含む魚を通常の範囲内で食べることによる健康被害はないとしています。
そして米FDAも、中国からの輸入品の検査命令を出すに当たって、既に購入した水産物にマラカイトグリーンが含まれている可能性があったとしても食べても安全であるとし、店頭に出回っているものについても回収の必要はないと発表しています。

 このような背景情報があれば、「中国産ウナギに発がん性物質」というメディアの見出しに惑わされて不安になったりする必要はないのです。
マラカイトグリーンは養殖に使用することが認められていない物質なので、検出されること自体は問題があります。
しかし「もし知らないうちに食べてしまっていたらどうしよう」などと恐れるようなものではありません。
消費者としては、ウナギの蒲焼きを食べるのでしたらむしろ焼き過ぎや食べ過ぎに注意した方がいいでしょう。

〜〜〜引用終わり〜〜〜

「食品の迷信」でも書きました。

結論からいうと、人体に全くといっていいほど影響ないということ。
「1日数百キロを毎日食べても健康被害がない」レベルのものをなぜ取り締まって、廃棄処分にしなくてはならないのか、改めて問い直したい。

*「うねやま研究室」の内容を今回の違反にそのまま当てはめると、「1日50,000kg(50トン)を毎日一生涯食べ食べ続けて、自然発生する腫瘍が2倍になるかどうか、という程度のリスクがあるかもしれない」ということになります。
同様の事例が他にもたくさんあります。
詳しくは「食品の迷信」を。

posted by うな太郎 at 09:39| Comment(16) | TrackBack(1) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月03日

鰻偽装の強制捜査



本日、魚秀と神港魚類のウナギ偽装の強制捜査が入ります。

7都道府県、26か所
という大規模なものになります。

手口が巧妙、複雑化しており、関係者が多数存在するため、全容解明には、徹底的な捜査が必要ということ。

多数の会社が偽装にからみ、今後も新たな会社のな目が次々と出てくることでしょう。

また、犯罪に加担していない中でも、

「多分、偽装品だろう」
「もしかしたら、偽装品だろう」
「偽装品の可能性もある」
「偽装品の可能性は0ではない」

など感じながら商売をしていた、様々な取扱者がいたことでしょう。

そこで、

「徹底した調査と厳正なる処罰を望みます!」


確かにその通りではあるのですが、それで終わっていたら、ここで書く意味がありません。(笑)


消費者としては、今回の事件の教訓はすでにはっきりしています。

いかに偽装が大規模かつ広範囲に行われているか。
騙されないためにどうすればいいか、ということ。


今後も、メディアはトップ級の扱いで報道するでしょうが、その中には誤報や偏向的報道も少なからず含まれています。
ギョーザ事件もそうであったように。

野次馬的にはおもしろいかもしれませんが、それに振り回されるのもどうかと思います。

そもそも、様々な業界で偽装だらけの中にあって、今回の偽装事件の
規模は数億円


「どんなに厳しくやっても厳しすぎることはない」ではなく、
強制捜査にかかる経費や、メディア含め世間の人々が投入する労力などの妥当性を考える視点も必要と思う。



例えば、
「エビ養殖詐欺」

約3万5千人が被害にあって、会社が集めた金額は850億円。

容疑者である会長は「90億円を海外に送った」と言っているとか。

金額規模でいうと、今回のウナギ偽装の100倍以上

水産業界にいる者からすると、今どき海老の養殖事業で1年に2倍になるなどというのは、100%ウソだと断言できるが、残念ながら世間の中にはその認識がなかった人が多数いた。

悲惨に思えるのが、被害者が知人を誘ったがために、同時に加害者になってしまったということ。

しかも、
このような詐欺事件は何度も何度も繰り返される。


この事件から得られる教訓は非常に大きなものがあると思うし、今後2度と同様の事件が起こらないようにするためにどうしたらよいかを
しっかり検証する必要があると思う。



posted by うな太郎 at 09:39| Comment(5) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月02日

フードマイレージとは



フードマイレージとは、イギリスの消費者運動家によって提唱された概念で、
「食料の生産地から食卓までのトン距離を定量化したもの」

計算式は
食料の輸送距離(km) X 食糧のトン数


主旨としては、食料の供給のあり方を見直し、なるべく地域内で生産された農産物を消費することによって、環境負荷を低下させていこうということ。

もちろん、フードマイレージが大きければ大きいほど、環境負荷が大きく、二酸化炭素の排出量の多さに結びつくもので、フードマイレージが小さいほど、良いとされる。

当然のことながら、食料輸入が多い日本は非常に高い数値だ。

2001年のデータ。単位は百万トン・キロメートル

●日本・・・・・・・・900208
●アメリカ・・・・・・295821
●イギリス・・・・・・187986
●フランス・・・・・・104407



僕は「フードマイレージ」という言葉は以前から知っていましたが、
この数字が持つ意味が分かりかねていました。
今でもよくわかりません(笑)

この数字が持つ意図は明確ではあります。
それによると、例えば、EUから運ばれて物より、中国から運ばれたもののほうが、環境負荷が小さいので、良いことになります。

しかし、中国からの輸入品の原料が実は他国から輸入されている場合、意味をなさなくなる。

仮に中国国内の生産物であっても、そのような選択をすることに、どれだけの意味があるのかを検証しなくてはならない。

問題点として、次の2点が挙げられる。

1)日本でいえば、総輸入量に占める食料の重量はわずか7%程度。つまり、食料だけのことを考えてもその意味は薄いものとなる。

2)輸送のことだけを問題にしているが、そもそも食料は、生産から流通、消費、そして廃棄に至るすべての過程でエネルギーが必要であり、二酸化炭素が排出される。フードマイレージはその中の国家間の輸送というごく一部分のみに着目したもの。


「環境のため」といえば、すべて良いことのように思われ、「どんな小さなことでもできることから」と言われれば、反論しにくい空気がある。

日本は良いことの悪い面、悪いことの良い面を見ることなく、一方的方向に流れやすい強迫的なところがあるので、要注意だ。

人が費やせる時間、労力、注意力、経済力、すべてに限界がある以上、常に費用対効果を考えるべきと思う。

そういう意味で、フードマイレージを気にすることより、単に「地産地消」を推進する運動のほうが、わかりやすく、かつ意義深いのではないだろうか。

















posted by うな太郎 at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月29日

魚秀と神港魚類続々編



魚秀の中谷社長は、
「魚秀の福岡営業所の担当者と神港魚類の課長が計画した」
と語ったそうですが、それに偽りはないと思います。

中谷社長は、今回の一連の計画を先導的立場でやるような人ではない
と思うので。


さて、今回のウナギ偽装は金額規模が大きいことと、ワイドショー的な話題も手伝って、大きなニュースになっています。

しかし、僕が昨年来、何度も書いているように、
食品偽装などどこでも行われて
おり、ニュースになるかどうかは、捕まるか捕まらないかで決まっているだけ。

ウナギは少なくとも昨年までは、”国産”表示の8割がニセモノ。
摘発された数量は、偽装された量の10%以下。

ウナギは単なる象徴で、他の魚種、他の農畜産物でも、
いやいや、日本社会全体が偽装社会。
だから
「一億総偽装社会」
とも以前書きました。

メディアの論調、一般市民の感じ方も相変わらずの反応。
偽装した人を”特別な悪”として糾弾し、
「倫理感覚がマヒしている」とする。

しかし、偽装は特別ではない社会であることは明らかです。
なぜ、偽装が日本社会全体にまん延しているのかを考える必要があると思います。

そこで行きあたるのは、

「同じ立場になれば誰でもやる」
ということ。

私企業であれば、競争社会。
個人対個人であっても競争に敗れたら、左遷、リストラにあう。
例え、社内で優秀であっても、それで満足ということはない。
自営なら余計切実。

目の前に簡単な大きな利益が転がっており、誰も見ていない、今後見つかりそうもない、と思えば、やってしまうのが人のサガ。


公務員だって、自分の所属先の利益と自分個人の利益を奪取するのに必死。偽装だってある。

僕は、むしろ偽装事件に対して、
激しい非難を浴びせるばかりの人ほど怪しいと思う。
自分がわかっていないか、自分ができなかったのが悔しいのではないかと。
あと、一般の経済競争原理が働いていない仕事をしている人には理解できないのかもしれません。

偽装は今後もなくなりません。
産地やブランドによって大きな価格差があるうちは。


もちろん、規制強化や法律改正などは一定の抑止力になりますが、まさか秘密警察の時代に戻るわけにもいかないので、それだけで撲滅は無理。

偽装が減ってホンモノがわずかになれば、ホンモノの値段がさらに高くなる。ということは、偽造のウマミはさらに高まる。

社会を良くできるのは、政治家や役人ではなく、消費者自身。
自分を守れるのも自分自身。


見ても食べてもニセモノかホンモノかわからないのに、肩書きが良くて高い方を選ぶのは、騙される可能性が高い。

また、中国産と国産の安全性は何も変わりないかむしろ中国産のほうが安全なのに、国産を安全と思いこむ勘違い。

養殖のほうがおいしいのに、天然信仰で高いお金を払う人。
魚は死んで時間が経ったほうがおいしいのに、生きてるものを崇める人。

無添加、無農薬は安全でおいしいから高くても買う、という人。

そういった「食品の迷信」が、結果的には偽装を助長し、自らが騙される道を選ぶ。

騙されたことに途中で気付く人はまだ幸い。
新興宗教化してしまった人も多い。

最近テレビに3回立て続けに出ましたが、すべてチョイ役。
僕の主張を取り上げてくれるところないかな〜(笑)

posted by うな太郎 at 15:07| Comment(12) | TrackBack(0) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月26日

本日(26日)、TV出演します



本日、
tv朝日の「報道ステーション」
にて僕のインタビューが出ると思います。

先ほど、僕の事務所での取材が終わったところです。

ほとんどぶっつけ本番で、カメラが回っていたので、アセリました!(^_^;)



さて、今回の魚秀と神港魚類のウナギ産地偽装に関して、その背景を少しお話しします。


僕自身、彼ら担当者はよく知ってはいるものの、偽装を持ちかけられたことはないし、今回の偽装方法は非常に特殊なので、推測も含めることを、あらかじめお断りします。

魚秀は昨年の夏に自らが輸入した中国産鰻蒲焼きで、違反品を出しました。
これは通関時の検査が合格して市場に出回った製品から、
禁止抗菌剤のマラカイトグリーンが検出
されたものです。

通常、違反品が出ただけでは、大きな問題になることはなく、違反品のロットを回収、廃棄すれば済むことです。

しかし、このときは彼らにとって非常に運が悪く、
全国放送で大々的に報道され、しかも同じ製品の箱まで映像で流されました。


魚秀はこのとき、本来であれば、違反品と同ロットだけを回収するべきところを、
同ブランドすべてを回収
することとしました。

多分、返品数量は、違反品ロットの数百倍はあったと思います。

在庫を持っていた業者にとっては、非常にありがたい対応でした。
なぜなら、ブランドとは関係なしに、売れないで困っていた物を返品できることになったからです。

「やりすぎでは」との声も少なくありませんでした。

このとき、僕は中谷社長に聞きました。
「返品したウナギはどうするのですか?」と。
すると彼は、
「いずれほとぼりが冷めたら売らなきゃならないでしょう」



多分、風評被害が収まったら、売れてくると思っていたのでしょう。

このとき、頭の中にすでに「偽装」があったという考え方もありますが、全量回収の方針は親会社の社長主導だったようなので、僕はそうではないと思いたいです。

結局、その後サッパリ売れませんでした。

中国産というだけで売れないのに、ましてや”事故”を起こした返品の品なので、余計です。

売れるとしても中国産相場のキロ200円下。(15%安)


この状況をどうにかしようとしたのが、今回の偽装の背景だと思います。


一つだけ断わっておくと、昨年マラカイトグリーンが検出されたこと自体は決して”加害者”などということはできません。
なぜなら、養殖や農産物を扱っている以上、検査で100%シロということはありえなく、だれでも引っかかる可能性はあります。
例え、無農薬を謳っていてもです。
現在の厳密な検査基準は、扱っている誰もが「いつ引っかかるかもしれない」といった思いを抱いています。

ただ、例え引っかかったとしても、健康被害を起こすことは現実的にありえないことも明白なのです。

だから、検査に1回引っかかっただけで、大問題となったこの事件に関しては同情すべきものはありました。

それが今回のような悪質ともいえる手口での偽装に結びついたとしたら、残念でなりません。

昨年までだったら、世間の目も今ほど厳しくなかったので、もっと簡単に偽装を行えたのでしょうが、今年からはそうもいかなくなったというのもあるでしょう。

魚秀の関係者2人と神港魚類の担当者は、業界でも知られたやり手だっただけに、業界への衝撃と落胆は大きなものがあります。

ちなみに3人とも何回も一緒に食事をしたこともあります。
だからか、いつもより避難、追及の言葉が弱いことにお気づきでしたか?(-_-;)
一人一人の人となりは、ここではやめておきます。

彼らがテレビのトップニュースになって映っているのが、何か夢を見ているようです。

posted by うな太郎 at 20:38| Comment(7) | TrackBack(1) | 食品の安全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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